ISBN:4404032587 単行本 宮部 みゆき 新人物往来社 ¥1,890
鬼の目にも涙…ではありませんが、
泣きました。
なかなか見えてこない不気味さ
一辺倒の上巻と違い下巻のスピード感と
いったら…
荒れ狂う雷、火災、人々の心を
支配していた恐怖から来るストレスによる
暴徒…ありとあらゆる災いがのどかな藩民を
狂気に追い立てる…
そんな苛立ちと猜疑心の中で
「ほう」はひたすら奉公し鬼といわれ
恐れられる加賀様を次第に慕い、逃げろといわれても
「置いてはいけない」と忠義心を見せる。
「ほうのほうは阿呆(あほう)のほう」と
言われて幼いころから虐げられ、馬鹿にされつつも
その「純真さ」や「心の美しさ」は変わらない。
大人いや政治の上の人の陰謀策略も知らずに
ただひたすら「まじめに」生きている。
そんなほうに加賀様は「お前の「ほう」は
今は阿呆の呆かもしれない。しかし人となるには
まだ足りぬ者であるゆえに」とおっしゃる。
さらに段々手習い、算術の教えを請ううちに
次の名前を下さる。
『方』今までのお前はどこに行くのかわから
なかったから阿呆の呆。しかし今のお前は
自分がどこに居るのか、そしてどこへ行くのか
知っているから「方」だ、と。
最後に自分の運命を悟った加賀様が
ほうを逃がし、ある者に託した最後の
ほうの名前は
『宝』
お前の命が宝だと。
加賀殿はお前にその名を下さり、
お前を誉めてくださったのだ…
本編、ミヤベにしたらかなりの
登場人物が命を落とす。
それは当然の結果とは言いがたい
人の為に犠牲になった者、
大切な人の敵を取るために自分の
命を差し出した物。
最後の最後まで自分の仕事に忠実に
従ったために命を落とした者。
そして。
上司の代わりに「詰め腹」を切らされた若者…
死にたくて自らの命を絶った者等
だれも居ないから余計にせつない。
その根底には自分以外の「誰か」を
守るためだから。
ふと、自分の14歳の誕生日に命を絶った
女の子、組織に逆らえずに罪を犯したけれど
それが明るみに出たとき、真っ先に生徒に
すまないと謝罪して命を絶った校長先生とが
ダブった。
女の子のお母さんが
「まじめに生きている子供が犠牲にならない
世の中になって欲しい」と訴えていた。
自分が罪を犯したのに知らん顔してえらそうに
子供に「教えることができない」と自分の
教師としての根本に立ち返ったゆえの自決。
時代背景が全く違うのに
傷つくのはいつも「善良な普通の人」
なのはちっとも世の中が変わっていない
と言うことではないだろうか?
鬼の目にも涙…ではありませんが、
泣きました。
なかなか見えてこない不気味さ
一辺倒の上巻と違い下巻のスピード感と
いったら…
荒れ狂う雷、火災、人々の心を
支配していた恐怖から来るストレスによる
暴徒…ありとあらゆる災いがのどかな藩民を
狂気に追い立てる…
そんな苛立ちと猜疑心の中で
「ほう」はひたすら奉公し鬼といわれ
恐れられる加賀様を次第に慕い、逃げろといわれても
「置いてはいけない」と忠義心を見せる。
「ほうのほうは阿呆(あほう)のほう」と
言われて幼いころから虐げられ、馬鹿にされつつも
その「純真さ」や「心の美しさ」は変わらない。
大人いや政治の上の人の陰謀策略も知らずに
ただひたすら「まじめに」生きている。
そんなほうに加賀様は「お前の「ほう」は
今は阿呆の呆かもしれない。しかし人となるには
まだ足りぬ者であるゆえに」とおっしゃる。
さらに段々手習い、算術の教えを請ううちに
次の名前を下さる。
『方』今までのお前はどこに行くのかわから
なかったから阿呆の呆。しかし今のお前は
自分がどこに居るのか、そしてどこへ行くのか
知っているから「方」だ、と。
最後に自分の運命を悟った加賀様が
ほうを逃がし、ある者に託した最後の
ほうの名前は
『宝』
お前の命が宝だと。
加賀殿はお前にその名を下さり、
お前を誉めてくださったのだ…
本編、ミヤベにしたらかなりの
登場人物が命を落とす。
それは当然の結果とは言いがたい
人の為に犠牲になった者、
大切な人の敵を取るために自分の
命を差し出した物。
最後の最後まで自分の仕事に忠実に
従ったために命を落とした者。
そして。
上司の代わりに「詰め腹」を切らされた若者…
死にたくて自らの命を絶った者等
だれも居ないから余計にせつない。
その根底には自分以外の「誰か」を
守るためだから。
ふと、自分の14歳の誕生日に命を絶った
女の子、組織に逆らえずに罪を犯したけれど
それが明るみに出たとき、真っ先に生徒に
すまないと謝罪して命を絶った校長先生とが
ダブった。
女の子のお母さんが
「まじめに生きている子供が犠牲にならない
世の中になって欲しい」と訴えていた。
自分が罪を犯したのに知らん顔してえらそうに
子供に「教えることができない」と自分の
教師としての根本に立ち返ったゆえの自決。
時代背景が全く違うのに
傷つくのはいつも「善良な普通の人」
なのはちっとも世の中が変わっていない
と言うことではないだろうか?
コメント