女優の夜

2007年7月2日 読書
荻野目慶子著 幻冬舎 2002年発行

重い、本当に、重い一冊だった…
読むのにものすごいエネルギーが要った。

荻野目さんの「南極物語」は映画で見たし
その愛人だった河合監督の「RONIN」も
なぜか映画で見た。(おもしろくなかった)

「縁」ってあるのかな、って思う。

あの事件の時の記憶も在る
「真面目な荻野目さんが愛人、かあ…
意外だな。しかも相手が自殺って…」と。

文章を読むまでも無く「真面目」な雰囲気が
あったから「私は女優。普通の恋愛なんかできない」って
言ってたのが妙に印象に残っていたから
余計にあの事件が「やっぱり」感があった。

監督が自殺するまでのやり取りの重たいこと…
読みながら泣けてきた。
多分彼は荻野目さんを「死の道連れ」=「いけにえ」
にしたかったんだろうなあ。
おとなしい雰囲気の人だから「付き合ってくれる」と。

彼女が死を思いとどまったのが
お母さんが気が狂わんばかりに名前を泣き叫んでいる
イメージが頭に浮かんだから。

一緒に死ななかったのを私は冷たい、とは思わない。
むしろ男の身勝手さを感じる。
妻と子は道連れにせず、若い女に試練を負わせる。

サイテーやね、アンタ。

「深い業を背負ってますね」と霊媒師に言われたとか。
読んでいて思った。
なんて「ついて無い人なんだろう」と。

血の吐くような告白をありがとう。
「実力演技派」として頑張ってください。

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