ISBN:4087746755 単行本 加納 朋子 集英社 2003/11 ¥1,785

一人の同級生の死を通じて
それまでの人間関係とか相手をどのくらい
理解しているかが、各自それぞれ思い巡らす
短編だけれど全て繋がっている作品。

高校のソフト部の先輩後輩。
ただそれだけの付き合いだけど
卒業してまでは…ってのはよくあること。
その中でも「ムードメーカー」であった
「チーズ」が死んだことによって
チーズと一番仲が良かった子がなぜか
葬式に来ていない…
ちょっとだけサスペンス風味だけど
最後まで読んだら「相手を思う気持ちが
微妙にすれ違ってしまった」と言う結果に
ちょっと悲しい気持ちになる。

誰が悪いわけでもない、
ただ、みんなの気持ちがその時は
自分の事で精一杯だったから
思いやれなった。
そんな自分を数年後に責める気持ちもわかるし。


自分自身、短大の時
この小説にでてくる「千寿子」と言う名前
それもぴったしあだなが「ちーず」だった子が
友達にいたけれど、私の結婚の時に何か
腹立つことがあって「絶縁」したっけなあ…と
苦い思い出に浸ってしまった。

原因とかが思い出せないぐらいのきっかけ
なんだから大したこと無いんだろうけど
その時は彼女のこと、絶対許せない!って
怒った記憶だけがある。

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