ISBN:4101215235 文庫 小川 洋子 新潮社 2005/11/26 ¥460

前回の「海」よりは何とか理解できる内容でした。
とはいえ、やっぱりどこが現実味が無く、ふわふわした
綺麗に表現すれば「幻想的」なんでしょうねえ…

まあ記憶が80分しか持たない博士の家に
家政婦として入った主人公とその息子。
会話が数式や数学的になるとがぜん色彩を
帯びて会話が弾む…

数学や数が嫌いな私には「???」な
ぶぶんもあったけど、主人公に言わせると
「分かり易い教え方」「今までの自分の数学に
対する見識が変わった」という、学校の先生に
居て欲しいような教え方らしい。
で、子供にはかなりの興味を示す博士のレクチャーを
しっかりと受け止め、中学の数学の先生になったという
ルートの存在がいい。

キチンと楽しくまた興味をもたせるように
優しく穏やかに教え、方向付けたら
子供はちゃんと応えて、自分で道を見つける
もんなんだなあ…とおもった次第である。

まあ、今回の作品のように「起承転結」もどきの
結果があればなんとか理解できる作家かも。
「海」のように自分の世界観だけでポンと
提示されてもなんのこちゃ、ついていけねーって
拒否反応を持ちそうな作家さん。

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