離婚美人

2007年10月29日 読書
ISBN:4163258205 単行本 藤本 ひとみ 文藝春秋 2007/04 ¥1,550

いつもの「藤本」節というか華麗なる世界は
陰を潜め、ひたすらくら〜〜いイライラする
前半に正直読むの止め様かと思ったほど。
ラストは本領発揮の余韻を持たせていたからほっと
したけどね。

それにしても設定が酷い。
より、際立たせた設定なのか
本当にこんな人間いるのか?と
悩むぐらい。

夫…一流メーカ勤務。縦の物を横にするどころか
全ての雑用を妻に押し付け、子供と接触すらしない。
ひたすら自分中心の「こども」。

妻…市役所勤務だったが姑に子供をとられるのは嫌だ、
と思い退職した途端、姑死亡。さあ、旦那と
新しい「家族」を作っていこうとした矢先に
旦那に「母親」役をすることを求められる。
働いている時の給料は全て姑に預ける事を要求され
渡した挙句、姑名義に貯金され、姑死亡後、
旦那が全て財産贈与を受ける。

子供…「あれは父親じゃない」と言い切るほど
むしろ現状をよくみている。むしろ父親を
そこまで甘やかしたと母親にもいい感情を持っていない。
母親が働きに出始めたのに、平気で「ご飯、まだ?」とか
雑用を一切しない。22歳と18歳の娘だよ!!

とまあ、こんな家族構成。
専業主婦だからってここまで雑用とか家の事を
妻がしなきゃ、いかんのか!!と思った。
だいたい、娘二人に家事&雑用を一切させていない
ってのも、理解不能。
それを強く怒らないというか「仕方ない…」と
諦めている態度が旦那をさらに助長させてるし。

もっと早いうちにきりっとした態度で旦那の態度を
改めさせるべき!とイライラした。

むしろラストで65歳の元官僚(多分金持ち)
あ、主人公は50歳。に「お食事でも…」と
誘われた時相手の態度が大なり小なり元夫と
変わらない、と思ったときに
「申し訳ないけれど…」とはっきり断った
ことがこの人が「離婚を経て、成長した」と
いう証だと思う。

離婚して再婚して離婚を繰り返す人って
やっぱり「なにも得ていない」気がする。
ようは「違う男とエッチしたかった」ぐらいかも。
「飽きたから次の男」それ位の感覚かも。

それにしてもこの本に出てくる
旦那だったら、私だったら1年持たずに
離婚を希望するだろうけど、母親とかが
「それ位我慢しなさい」って押さえつけただろうなあ。
今は離婚に周囲も寛大だから、いいのか悪いのか。

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