ISBN:409386117X 単行本 市川 拓司 小学館 2003/03 ¥1,575

なんつーか、透明感のある文章
もしくは現実感がない文章とでも
言えばいいのでしょうか??

この作者、「恋愛写真」のスグルもそうだし
この本の「巧」にしてもどうしてこう人物設定に
「障害」を持った人を書きたがるのでしょう?
巧の「病気」を前面に押し出すことで
「澪」と別れる理由にしようとしているけど
なんかイマイチ理由としては弱くありませんか?
その症状の例として子供を1人映画館に行かせる
くだりがあるけれど、そこらへんが「もたつき」感を
感じさせる。

シャープな文体ではない。
むしろ「もっさり」とした完成度が低いゆえの
「新鮮さ」を感じるのだが
文中に作者の「知識」をひらけかすかのような
表現が随所に見られ、ちょっとね。
で、作者が45歳なのでその年代だと
それぐらいの本は読んでいても「当然」
かも知れないけど今時の「活字離れ」した世代が
読むことを想定したら、無駄なことではないでしょうか?
エピソードが古い、と言えばいいのかな?

母親世代がはまった韓流というのかな?
純愛系。純粋なほど奥手におずおずと…って感じ。
ゆったりと関係が進むから余計に、段々好きになる
っていう気持ちが高まる結果にはなっているけど。

2時間ほどで読めたけど、印象には残らないタイプ。
むしろ「恋愛写真」のほうが良かった。

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