山田宗樹 幻冬舎

暗いです…
あれだけ有名女優が出た映画やドラマが
作成されたのにこんなに暗い内容のもの
だったとは…

題名も題名ですが。
松子の生涯があまりにも「運が悪い」というか
救いようの無い方向にばかり行くので
読んでいて暗澹たる気持ちになります。
正直、最初の教師から職を追われる段階で
「運が悪いやっちゃなあ…」と
吐き気をもよおすぐらい「ついてない女」。

少し幸せになれるかな、と思ったら不幸になり
どこまでも落ちていく。
本人が真面目に生きようとすればするほど
落ちていく。
「なんでこんな男と一緒にいるのさ!!」と
身もだえするぐらい松子の男運の無さに
情けなくなる。

でもどこか五木寛之さんの『朱鷺の墓』を
読んだ時と同じような感想を持つ。
この本の主人公も美貌の持ち主で
その美貌がアダになり郭に売られてしまう。
心がきれいであればあるほど、不幸に
見舞われると読者はもう、身を切られるような
痛みを持って読み進めるしかない。

ひっそりと誰に迷惑をかけるわけでなく
ただ愛する男と一緒にいたいのに
それさえも許されなくて。

なんか読んだ後、胃が痛くなる本でした。

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