さすが柴田さん!!!
この人にかかれば、かの大作、源氏物語
までもがミステリーの要素満載の内容に
変化するものかあ…と。

大胆な解釈とただの古典の題材でしか
なかった源氏物語も見方を変えたら
「男女共同参画」的要素満載なわけで。

例えば高貴な姫は生活に瀕していても
働きに出ることもできない。
それでは食べていけない→男の「情け」で
食べていくしか道は無い→高級娼婦に成り下がるしか道はなし

かの天皇家直系の方々が
食べるために「身を売る」ってこと
今まで考えたことなかったけど
ふか~~~く「研究」すれば
そこに到達するのは当たり前のこと。

それを「平安朝、みやび」という
刷り込みでごまかしていたってことですか?
@古典の先生方

この作家はいつも思うけど
「女性の立場に立って女性を庇護してくれる」。
でもその手法はものすごく怒りと悲しみで
下手すると暴力的な圧倒的な文体で読者を襲う。

デビュー作の「RIK○シリーズ」での
エログロな描写は正直
「これ、女性が書いたんだよね?
ここまで女が女を破壊するなんて…」と
絶句した記憶あり。
事実この本を紹介した友人は
「だめ。受け付けない」と拒否反応。

それは
例え女主人公(現職刑事)だろうが
美貌の拳銃の名手の別の警官(♀)だろうが
今までのタブーとも言える、
二人してレイプされ片方はその美貌を
壊されるという読んでいてあまりの迫力に
読んでいてつらかった。
現実では現職警官をレイプするなんて
想像できないし、まだそんな事件は起こっていない
と思う。(女性車掌は襲われたが)
それは言い換えると例え警察官でも
男の暴力、力には対抗、抵抗しきれないということ。

読んでいてつらいのは同じ女が
男に襲われて助けることのできない
ジレンマと自分にもいつ起こるかわからない
恐怖を感じるから。

事実、レイプされた女性は
抵抗のため顔を潰されるぐらい殴られるから
「何が起こったのか、わかる」そう。
描写されていることは「事実」でもあるから。

助からない恐怖、殺されるかもしれない恐怖
絶望を伴った恐怖。
それをこの作者はなんらかで体験しているから
「怒り」をもってこれだけリアルな描写が
できるのではないだろうか、と推測。

写真を見る限りは「ふつーの太ったおばさん」である。

でも、この人は小説という媒体を通じて
「生きていくうえでしんどいとき、つらいことは
たくさんある。特に女は。でも、乗り越えていけるよ。」

っていうメッセージを入れてくれている。

様々な文体、ジャンルで常に楽しませてくれる
この作者は本当に素晴らしい。

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