女子高出身者にとって
女子高が舞台な本はついつい
読んでしまいがち。
まあ、だいたいが密室的自殺とか
一人の少女が死んだ…みたいな感じの
傾向が強いけど。

女子校って世間から見たら
ミステリアスな空間に思われがちだからこそ
ミステリーの舞台に選ばれやすいのかもしれない。

さて、本作、5編のうち初めと終わりだけが
雑誌掲載で残り三作品は書き下ろし。
多分発行にするに当たって肉付けとしてかかれたんだろう
けど、不思議な空間でした。

まず女子校だから全て「女」なのに
「ぼくは…」
「君は…」
「うむ、よかろう」とか
あれ??って感じ。
三島とか文学青年が議論を夜通しやっていた…
とかそんな時代を感じる話し言葉を使用。

私の学校では「男言葉」は使ってませんでしたが。
(態度は女とは言い難かったケド…汗)

ラストで女子校も時代には勝てず
共学になる、女だけの学園祭も終わってしまう…
もう、ここに戻ることはない…みたいな
展開に至っては、やっぱり私の母校も
「女だけだから伸び伸びできた」と思うので
共学になったらやっぱりあれはもう
「私の学校」ではなくなるだろうなあ…と。

男子校出身の秘書が何気に
「あれはあれで楽しかった…」と
供述するから「母校に対する愛着」は
男も女も変わらないのかもしれない。

とはいえ、正直、起承転結があるわけでもない
短編集なので「だから?」って感じ。
この作者独自のワールドを楽しむだけってか?

あんまり私はこの作者と相性がよくないらしい。

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