このシリーズ、今までは表紙が「ぶたぶた」の
実物写真だったのでイメージしやすかったですが
イラストはイラストでかわいい!

ぶたぶたは「一見」ただの「ぬいぐるみ」です。
ただ、しゃべったり、ビール飲んだり、生マンゴーで
マンゴープリンを作ったり、車を運転しちゃったり
家ありも家族いてそして仕事(作家)もしているだけの。

ぶたぶたは別に魔法使いでもなく、ただのぬいぐるみです。
でも、主人公が本当にどうすべきか、どう行動をすればいいのかをさりげなく、教えてくれる「大人の男性」の
ようなぬいぐるみです。
その誘導の仕方は年配の男性があったかい、やさしい目で
年若き若者を正しい道に先走りするでなく
「どうすれば自分はその人にとっていいのか?」を
考えさせるきっかけを与えるだけ。
解決するのは他人ではなく「自分の心のある」という
ことを気づかせてくれるヒントをくれるだけ。

いませんよね、そんな大人な人。
自分も含めて。
ついつい先の答えとか結論をばん!と見せたり
渡したりして若者が「考える」時間を与えてもらえない
ことのほうが今の世の中多すぎて。
失敗してもそれは「自分が考えて出した答えだから」と
納得できるような、場面も本当になくて。

ぶたぶたシリーズは「ぬいぐるみ」っていう
小道具を使っているから「メルヘン系」に
なりがちだけど、これは「大人のメルヘン」。
大人になってしまった人間が、振り返って読むと
その「あたたかさ」が感じられる本。
少年、少女時代を過ぎ去ったから、余計に
「悲しみ」や「戸惑い」を共感できる本だと思う。

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