ジャンルはマーケティング 2004年発行

このペーパーバックスの特徴として「英語交じりの四重表記」が取り入れられているのだが、ぶっちゃけ「うっとうしい」例えば
この本で買い物の楽しさ、お金を使う喜びを再発見rediscoverしていただけることを願っています。
と、英単語がゴロゴロ…
正直、読みにくい。日本人がメイン読者なんだから、そこまでかっこつけて「賢さ」を押し出さなくても、って感じ。

さて、思いっきり目を引く題名です。ものすごく「売れそうな」題名だとおもう。戦略勝ですな。
この題名に課せられた意味は本書の最後の部分に書かれてます。簡単にまとめると…

かつて「お金持ちは高額な物が買える」「貧乏人は安い物しか買えない」という時期が続いていました。例えば「ポルシェに乗っているのはお金持ち」「安アパートに住んでいるのは貧乏人」などと持っている物や買った物によって区別できた。しかし70年代にかけて世の中全体が豊かになって「大衆消費社会」になった時多くの人が
「お金があるからポルシェにを買う」ではなく「ポルシェを買うことでお金持ちと見られたい」などと自己表現の手段として物を買うようになった。
だから特に「こう見られたい」と思わない部分、あるいは「見せないでおこう」と決めた部分についてはお金やエネルギーを使わないでもよかった。
でも、今はそんな自己表現のバカらしさに気がつきだしている時期なのではないでしょうか。誰でも何でも買おうと思えば買える世の中で、色々やってきてようやく「他人の目を気にして自己表現しても大して満足感はない」とわかってきた。(中略)
自己表現でもない、自分との相談結果でしかないのです。


あと、どのようなお金の使い方をするかの一例として、私がよくこの日記で怒り炸裂!させているのと同様な例があったので抜粋。
「会社の近くにサブウェイ(パンを4種から選び、中に挟む野菜、ドレッシングを選び4,5回は「これにしてください」と選ぶ仕組みの店、らしい…うちの近所にはないな)があって、昼食時によく使っていたのですが1人どうしようもなく注文の聞き方が下手な店員がいるんです。その人に当たってしまうと時間がかかってしまうので段々腹が立ってきて…そんな時はもう「選ぶ」のは面倒くさい以外の何物でもないという気分です。

⇒(著者の意見)
定員とのやり取りが増えれば増えるほどこちら側の選択眼だけでなく、店員の能力も大事になってくる。不況になってレストランが人件費を削った挙句、店員の質が落ちたり、人数自体が減ったりしたため「定食」型式にして店員の負担を減らそうとした、という面もありそうです。

「お店の人に腹が立つ機会は、特にレストランで多い気がします。先日家族で行った店では家族がみんな同じセットメニューにしましたが、デザートがワインソルべだったんです。子どもが小さいから持ってきた時に『子どもはお酒が入っていると食べれないので…』と言ったらさっさと下げてしまって。子どもは「僕のデザートは…」と泣きそうになっているから追加でバニラアイスを注文しましたよ。こっちが悪いのかもしれないけど、昔の店員なら『代わりにバニラアイスをお持ちしますね』位言ってくれたと思いますよ。なんか腹が立って『こんな店、二度と来ない』と思ってしまいました。

⇒実は臨機応変こそが接客業という仕事に求められている能力であって、それができないのなら、ただのロボットでも食券販売機でもいいわけです。
私たちは「外食をする」時にただ「料理」という物を買っているのではない。また「料理を食べさせてくれる」というサービスを買っているだけではありません。例えば「熱い料理は熱い状態で出してくれる」など「おいしく食べさせてくれるサービス」も買っているのです。その「おいしく」はあじだけではなく「タイミング」「機転」「雰囲気」などが含まれます。「ホスピタリティ」と言ってしまえば簡単ですが、接客する側には「私は客においしく食べてもらうために、できるだけのことをする。そのために客はお金を払っているんだ」くらいの覚悟が必要だと思います。




マーケティング専門家とただの専業主婦が日ごろ「不満」に思っている事が一致しているのだから、やっぱり企業の「人材」に対する考え方を改めてもらわないといつまでたっても「消費」には結びつかないと思いますが。
アメリカなどの映画やドラマで「ウエイトレス」と言う仕事に誇りを持っている女性とかの描写を見たら、日本のそれとは全く違うのがわかるんですが。

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