美丘

2010年1月12日 読書
『みおか』と読みます@題名
主人公の彼女の名前です。
お乳がきれいなお姉ちゃんの話、ではありません。念のため。(写真に釣られてくる人防止)


冒頭のプロローグは「ある愛の詩」をイメージします。
本文はお気楽な大学生のキャンパスラブストーリかと思いきや『世界中』を彷彿させるかのような難病物語に発展します。
美丘の「ドイツ嫌い」「ピンクのジャージばあちゃんに対する接し方」から大体の想像がつきました。ビンゴでした。

『私の頭の中の消しゴム』(でしたっけ?題名)は読んだことも映画も見てませんが、多分こんな感じ?

自分を形成していたものがどんどん消えてなくなって行ったら、後に残る「自分」は一体どんな自分で、昔の自分らしさは残るのだろうか?という「問い」があります。
「ある人の人格を決定するのは、過去よりもその人の希望や将来の目標であると考えたのです。
人格を決めるのは、過去でなく未来だと。」


美丘が崩壊していくその過程を「記録した」主人公。
そしてラストは…
ラストのページを読んだ後、プロローグに戻るとすべてが解明される(繋がっている)タイプの構成。


…感動はそれなりにするんです。
でもね、個性的ではあるけれどめちゃくちゃ可愛いというわけでない美丘と付き合うことにより、キャンパスの1、2を争う才色兼備の麻里さんと付き合い始めてやっと、美丘に対する自分の気持ちを知る、ってどうよ!って主人公の性格のいい加減さ=気の弱さ、人の良さ がムカつくのさ!

それ、優柔不断な男の典型的例でしょ!

この作者、多分本人も優柔不断なんだろう。
この人の作品、この手の「やさしい男」よく出てくるし。
一方の人間にはそれもいいかもしれないけど、それをされることによって「傷つけられる人間」もいるってこと、ちょっとは分れよな!って感じ。

これも変形した「少女マンガ」。

ラスト、「約束」とはいえ、それを実行したら
あんた(主人公)は立派な「殺人者」。
でも、この作者のノリで行くと「僕は美丘の思い出を胸に、
罪を償って生きていこうと思う…」とか言いそう。

ある意味「ロミオとジュリエット」的短絡思考かもしれない。

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