作者のデビュー作。
ドラマにもなったようですが、見てません。

1998年発行ですが、表題作は1997年に書かれたということから作中に常に「PHS」が出て来るところに「時代と風俗」を感じます。
デビュー作でこんだけとんがった作品を書いていたら先日書いた『夜を守る』がちょっと「ゆるい」感じがするのも仕方ないかあ…
系列的には同じなんだけどやっぱりデビュー作と作家生活も何年か経つと作風が変わるのは仕方ないんだろう。
今回の方が「刹那を生きる!」感とスピード感がある。
人間まるくなるのはいいけれど、日常を「退屈」している人間にはこんなスリリングな体験を本を通してでもやらないとやってられない、ってことで若者に支持を受けたんだろうなと。
ただ、何でも暴力で解決するのではなく頭で冷静に考えて行動し、なるべく傷つく人がいないように全力を尽くす主人公だからこそ共感を得れるのだと思う。

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