おとなの叱り方

2010年5月6日 読書
作者はあの 和田アキ子さんです。
文体はほとんど口語的で「ああ、アッコさんならテレビでこんな風に言いそう」ってのがイメージできるぐらいに。
基本、彼女が「叱る」沸点は多分私と似ている。
「挨拶をしない。人に迷惑をかけても平気」ただ、「怒る」のと「叱る」のは別物と力説している。
「相手の将来や相手の事を考えるからこそ、叱る。その価値もない奴は何も言わずに放置。来年は 消えているから

最後に彼女が「うぬぼれて裸の王様にならないように、常に自分で自分を叱れる人間でありたい」と好きな詩を紹介してくれているので、引用。

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

         茨木のり子『自分の感受性ぐらい』

最後の一連は「深いなあ…」と思わずにはいられません。

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