今まで児童文学というか、中高生が主人公だったのが本編では大人、それもスリと占い師という奇妙な取り合わせ。
本文には高校生も準主役ででてくるけど、今までとはかなり毛色の変わった作品。

ぶっちゃけ、作者名を隠して読んだら「宮部みゆ×の初期の作品」「柴田よし×の失敗作」って感じで読めなくもない。平たく言えば「誰が書いてもこんな作品になる=作者の個性が全く感じられない本」になっている気が…

まあ、児童図書からの一般図書への移行なのかもしれないけど、それにしたらなんか構成が若干お粗末かと。
児童図書ならある程度、小難しい文章でけむに巻いてしまえるけど、大人には「ちゃんと、ここら辺のからみとか描写をきちんとしてくださいね」って駄目だしされそうな、そんな感じ。

この人の良さが出る、中高生が主人公の本の方が私はなんかいいと思うのですが。
この本を一番最初にこの作者の本として出会っていたら、まあ、おもしろかったんじゃない、で終わるんだけどね。

あと、非常に読みずらかったのが占い師の名前。
「昼間 薫(♂)」なんだけど「昼間」ってのが、おひさんが真上にある「昼」とごっちゃになるのよね。
できたら「スズキ」とか「タナカ」みたいに「人名としてありふれた漢字&名字」で書いて欲しかった。
てか、なんでこの名字にしたんだろう?ってぐらい読みにくい。いっそのこと「綾小路」ぐらいだったら判別しやすかったのになあ…ってぐらい違和感があった。


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