安斎育郎著 工学博士

この著者の様に「これはトリック」「これは実はこうなんですよ」と明快にバッサリ切ってくれたら世の中の「不思議」は無くなっていくのに。

なぜ騙されるのか。
それは「自分の主体性を他人に簡単に預けてしまう生き方をするから」。
楽なんですけどね。確かに。自分に責任ないし。

もう一つは「思い込み」。
例として
「●肉○肉」に当てはまる漢字をと学生に出したら
「焼肉定食」「牛丼定食」「豚肉定食」…
「弱肉強食」が正解だと言うのは出題者の一方的な思い込みだと。
他にも
「品○方○」に
「品川方面」という答えが…
「一○○中」に
「一家心中」「一口最中」

「あたかも」と言う言葉を使って短文を作れと言うと
留学生が
「冷蔵庫に牛乳があたかも しれない」と。
もう、大爆笑!!!!!!!!

「どんより」
「僕はうどんより そばが好き」だって。

いい、いい!!この発想!!好き~~~~

で、超能力か、インチキか、見破る方法として
「心霊手術」を取り上げてまして
「人間を裸にして手をさすると血があふれてきて、やがて指がめり込んだかと思うとサッと癌が取りだされて、ガーゼで拭くとキズが何も残っていないのに治っている」と言うもの。
トリックは「鳥の皮で作ったゴルフボール大の球状の物体の中に、豚の血を浸み込ませた脱脂綿を入れておいて、ベットの下に張り付ける」と言うもの。
手品のトリックだとか。で、こんなに手術しないで簡単に癌が治るのであれば、昭和天皇の癌をどうして助けてやらなかったのか、とくると「なるほど」と思うわけで。

「競馬予言」も嘘の紙を箱に入れておいてレース結果が出たと同時に助手が正解を書いた紙とすり替えると言うもの。これだけ予想が当たるのであればマジシャンなんかしなくて競馬予想で大儲けできる、と。

詐欺師の名人がテレビで「人々に欲望がある限り私は困りません」ってね。
欲得で生きようとすると必ず騙されるから。


ごもっともでございます。楽しようと考えたから痛い目に遭う、と。
まずは疑ってみる。そして、ちゃんと自分で説明のつくような結果なり理由を見つける努力をすること。

メール占いで「タロットから金粉が舞ったり」私がどこに住んでいるのかもわからない癖に「水晶球に浮かびました」とか。一体誰の何が浮かんだっていう証拠は?って感じ。
でも、心が弱っているときには何でもすがりたいから信じてしまうんだよな…

「私は絶対に騙されない!」って思った時からもうすでに「騙されている」ってのが、いやはや…

追記
この本における有名人の扱い
「細木数子」…みてもらうのに10万用意し、人生相談をしっかりしようと思えば30万は懐に入れて行った方がいいでしょう。10万払って「アンタみたいなバカ見たことない」と言われ「どうすれば運が開けるんでしょうか」と聞けば「数百万円から数千百万円のお墓を買うように薦められます」。

「宜保愛子」…胃癌で亡くなったが自らの胃癌を手の施しようがなくなるまで悪くなるのを予知できなかった。
同様に
「藤田小女姫」…岸信介総理大臣が若干23歳のこの占い師にお伺いを立てた結果辞任に追い込まれた。
一国の宰相が辞任しようがしまいが自分には関係なく、大臣が自分のところに相談しに来たというのが宣伝材料になった。
この人も自分のことは占えずに
相性占いで失敗し、離婚。
息子と一緒にハワイに行った時に誰かに殺された。
これも予知できなったと言うわけで、占い師で自分の占いができない人は結構いる。

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