中学校の図書館に本が置いて有るぐらいだから、文章も平易、過激なことも一切書かれておらず、父子家庭の作家の日常と妻のしに関するちょっとした疑惑が絡んでってな感じ。

全然面白くなかった

面白い本と言うのは、その世界にどっぷりハマって登場人物と自分を重ね合わせるぐらい「共感」できるものをいうのだが、この本に関しては一切共感無し。

しいて言えば書けない時の作家の哀しさ、賞レースのしくみ、印税の金額といった「業界の裏側」が覗けるぐらいか。

あと主人公が会話のたびに「やっ、~~~~」と「やっ、」という言葉を付けるのがものすごく「じじむさい」印象を与えた。(年齢設定は39歳なのに)

それと、これもドラマ原作を狙っているかのように、女性が出て来る。全然必要ないのに。
ドラマ化するに当たって、脚本家が女性を無理やり登場させなくても済むかのように。出て来る人、本当に「華を持たせる」だけのひとばっかり。
これが「再婚相手」としての扱いだったらマシなのに。

書くことは重労働だ。精神と肉体の大変な力を必要とする。どれほど苦労して書いているのがわかるから、逆に他の作家の本を読むのが面白くてたまらないのである。上手くいっていれば拍手を送りたくなるし、失敗するえばつい同情してしまう。
いつ同じ間違いを自分がするのかは分からなかった。
創作は毎回安全ネットの無い綱渡りである。
プロの作家になって他の同業者の作品を読む目は、明らかに以前より優しくなっていた。
アマチュアの読み手のように一言でバッサリと作品を切り捨てたり、作者の人格を否定するような乱暴な批判はできなくなった。
書く方はともかく、読み手としてのは少しだけ成熟したのではないかと。耕平は自分自身を評価している。


アマチュアだからバッサリ切れるんですよ。
金払ってるんだから。期待にこたえれない本を読んだ時の
「時間が無駄だった」っていうあのやりきれなさを「酷評」としてぶつけるんですよ。
みんながみんな「おもしろかった」「良かったね」なんて言ってくれるなんて思うなよ。それこそ、甘えじゃないですかね?何、泣きごと言ってんだ!って感じの描写。
「産みの苦しみ」をわかってくれ~~と切望している本、としかとれね~~よ!

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