表紙のイラスト、作者の「あゆみ」という名前から勝手に
唯川系のさわやかな小説を期待したのですが、思いっきり裏切られ。推理小説、サスペンス系でした。
まあ、この方「覆面作家」らしいのですが。


正直、登場人物が全員「嘘」を言い合って、お互いの足を引っ張り合ってより一層犯人から遠ざかるような展開。
どれが真実か分かりにくいし、人が入り乱れすぎるのに加えて小難しい理論を「理系」チックな説明をするので「文系」にはより物事が複雑に思えて来るので、読むのが疲れた。
現実味を持たせる為にあのような難しい理論を長々と書くよりももっとエンターテイメントに徹して、割愛してテンポよく読めるようにしてくれたらいいのに。
「ちーむばちす×」の様に、前半は医者が探偵役でそれも医療界の裏側暴露で時間を割いている割に後半でかなり癖のある役人を探偵役にすることによりものすごくスピーディな展開&面白くなったように、あんな風にその業界そのものを書くよりは「遊び」がある方が読んでいて物語に入って行けるのではないのだろうか?

なんかあんなに複雑にした割に結果が「これかい?」って感じで作者に「だまされた」と言うにしては後味の悪い騙され方だった。

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