先日読んだ「おそろし」の続編的作品。
「おそろし」がああいう展開で、ああいうラストになったのにさらに続編とはいい度胸だな、ってのが正直読む前の感想。

作者も懲りたのか、今回の「不思議な話」はオチ無しの
正真正銘摩訶不思議な説明のできない話としてどちらかと言えば「現実の世界」の展開における「添え物」として語る方向になった模様。

ちなみに題名の「あんじゅう」は第三話の「暗獣」を平仮名表記にしたもの。
「暗獣」と漢字表記するには余りにも儚く、もろい存在を扱っていただけにひらがな表記が妥当かと。
読んだ後、かなり物悲しい読後感が残る。

全編「忌み物」とは所詮人間の心の闇がそのように見えるだけのこと。
人間の心の闇ほど恐ろしいものは無い。

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