万城目のレビューを読むとこの人の事が書かれている事が多いので読んでみた。

取っても文体にクセがある。
大正ロマン?明治ロマン?昭和初期?
ロマンも浪漫と漢字表記するのがふさわしい。
中島清の描く「小梅ちゃん」と言えば分りやすいかも。
なので表紙のイラストはこの本をよく理解しているなあと思う。

内容は「妄想の塊」。
この作者もやっぱり「奇想天外」が頭にあるようですが、
こちらは進むペースが超スローなので「おちょくられている」というか「からかわれている」。
違う言い方をすれば「これが京都のいけず ですか?」と。

万城目が「うさぎ」としたらこっちは「かめ」。
万城目が「大風呂敷をば~~~っと開いて、ノリで一気に推し進める」としたらこっちは「こだわりを丁寧に言いかえればオタク要素全開」で書き込んでいる。

この人はこんな文章を書く人だ、と理解したら「次」はあるでしょうが、暑い夏にこんな男の妄想話に延々つきあってられるか!ってのが本音。

「面白い」と評価する人と感覚が違うんだろうなあ…
いわば「K大生が書いた本を『おもしろい』って言えるおれたち&私たちってすごい!」みたいな。

とはいえ、奇妙な読書感を持つのも事実。
変な本です。

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