万城目学著
この本、作者にしてはあまり人気がないのか予約せずとも本棚に3冊も並んでいた。
確かに、雰囲気は大人向けというより小学生向き。

マドレーヌ夫人は猫で旦那さんは犬、と例のごとく「ありえない」設定になっているけれどかのこちゃんが小学1年生という設定にしたので違和感がなくなっている。

ちなみに「かのこ」という名前の由来をお父さんに聞いたら
「鹿がそう名付けろと」というくだりは「鹿男」を連想させる仕組みになっている。
お父さんは「鹿と話せるお父さん」として一躍同級生の間では超人気者になるくだりはそれが好奇心いっぱいの一年生だからかと。
突拍子もない話を作ることを前提として書いていたかのような傾向だったから大風呂敷を広げすぎて収集がついてない、まとまっていない感が大!なためあまり好きではない作家であったが本作のように「普通に」書いた本(人によっては個性がなくなったと感じるかもしれない)にしたらすっきりして良くなったと私は思うんだが…
下手にこねくり回すより素直に書いたほうが読み手も安心できる。下手に笑いを取ろうとかそこでしか通用しない「毒」を盛り込まれても共感できないことのほうが多いのだから。

メルヘン、ファンタジーはやっぱり子供の心を持っている人が楽しめる分野かな。
ラストでマドレーヌ夫人がこの家に残るか旅立つかの結果は子供に宿題として「読書感想文」で続きを作らせたらいいかも。

そういえば、夏休みに入ってから例のごとく検索に本の題名が多数入っている。
みなさん、頑張って自力 で書きましょうね。大人の目から見たらコピペは丸わかりですよ。笑

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