う~~ん、なんというかゴシップ記事を読んでいるかのような錯覚にとらわれる。
で、ミスリードに誘うために必要なことを隠しているのと、人物像がどうもいまいちはっきりしない。
表で表現されているのと、その人の現実の顔が全く一致しないというか。要は不透明。
なんかドロドロとしているというかゴチャゴチャしていて
ラストがいまいち。
よくわからなかった、そんな一冊。

その中で気になる描写は
野江はその同僚との友情を断ち切ることはできなかった。話がかみ合わない、女友達。
それでも会話が成り立っていたのは、どちらかが無条件に折れているからだ。
折れている方は相手が納得する答え、相手の気分を損ねない答えを自転車をこぐように絶え間なく探している。
こぐのを止めると途端に自転車は倒れる。
倒れたら倒れたでいいじゃないか。
そう思いながらも倒すタイミングがなかなか見つけられない。縁が切れない。理由は簡単だ。
嫌われるのが怖い。そんな青少年のような気弱な恐怖を
どんな大人でもそっと隠し持っている。
しかし、今は嫌われることは怖くない。
いや、むしろ積極的に嫌われてやる。


「女友達」という題名な割に「気薄な人間関係」しか
持てない危うさが書かれているのに手を広げすぎて
まとまりがなくなってしまった残念な一作。

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