2003年発行の児童書。
そんなに人気が無いのか「書庫」のシールを張られてました。
ちなみにこれは島本理生の本の中にエピソードとして書かれていたので興味を持ったので読みました。

話の長さ的には「え?これで終わり?」と拍子抜けするぐらいですが、話の内容は重く、寒気がします。
むしろ、これをベースに長編を書いていただきたいと要望してしまうぐらい、「今」の時代の「預言書」的な話。
とても「ずっこけ三人組」とか明るい楽しい話を書いた人と同じとは思えないほどに。

思いっきりかいつまんであらすじを書けば
「自衛隊がクーデターを起こし、軍人政府ができた。国家間で戦争がはじまり、世界各地で核爆弾が破裂した。主人公は日本人の男の子だが、家に核シェルターを持っていたが為、避難していて無事だった。
残留放射能測定器が取り付けてあって、初めの予想は30日。
しかし時間が経つにつれて、回答不能となった。
理由は、放射能の基礎データーと現実の測定データーに大きなずれがあった。つまり今まで考えられていた核戦争の理論と実際の核戦争とではまるっきり違っていたということ。
放射能量は3か月たった今でも少しも減っていない…

そして、シェルターに入って96日目に母親が、その三日後に父親が死んだ…」

という、話。
まだもう少しだけ少年が行動を起こすのですがそれは省略して。

この本、フクシマのサブテキストに使えそう。

安全、安全と言っていたのに実際に事が起きれば「予測不能」と
言って責任逃れする。
政治家にぜひ、読んでもらいたいですね。

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