それまでクラスメイトと雑談で盛り上がっていようと、
朝の電車の痴漢にはらわたが煮えくり返って呪詛をかけていようと、そして大好きなY先生が前に立っていようとも
パイプオルガンの音が響きだすと、一斉に頭を垂れ
目を閉じ、手を組んでチャップレンの声がするまでひたすら心を鎮める…
オルガンの音=静寂=瞑想…
パブロフの犬さながらに染みついた習慣。

そんな20年前の学生時代を思い出させてくれた一冊。
舞台が女子校ではないのが残念ですが。

思い返せば有数のパイプオルガンがある学校に通っていたのに、その音の素晴らしさを実感せぬまま卒業してしまったなあ…と悔やむほどにパイプオルガンの良さ(そして音楽の素晴らしさ)を表現していて、もう一度礼拝堂に行きたいなと思ってしまった。

本当に、神様から遠いところにいるよな、自分…

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