先日読んだ(目を通した)『このミス』で紹介されていた『秋限定』を読む前にシリーズの最初の本書を。

これ、シリーズ最初だよね??と自分に問う事数回。
というのも主人公の小鳩(♂)と小山内(♀)が文中頻繁に
小市民を目指す物として 」という
言葉を使う。
「小市民?なにそれ?」と読んでいる間ず~~っと疑問に思う。
小市民とは簡単に言って「目立たず、地味に、存在を隠す者」まあ、その他大勢ってことで。
それをわざわざ目指す ってことは
言い換えれば「普通にしていたら目立つんで」 ってこと?

自意識過剰じゃね~の、こいつって感じで感じ悪い。
あ、高校一年生の設定です。

そしてもっと嫌な描写が小山内。
女性読者の8割は嫌うだろうな、こんなタイプ。
でも、それは作者も意図していたらしく文中で小鳩の小学校時代の友人がこう表現している。
お前は嫌な奴だった。どうにも気にくわない奴だったよ。ちっとは知恵が回るのを鼻にかけて。
それがどうした?
今お前がやろうとしているのは『都合の良いように人を踊らす』ってことだとわからんか。ちょいと蟲が良すぎるだろう」


そう、小山内の言動は全て言いたいことをはっきり言わず、なんとなく察して欲しいに終始している。
これは小鳩もそうなので二人してこそこそしまくり。

小鳩は中学の時にその小生意気なキャラのせいで痛い目に遭った。小山内は自分い危害を加える相手を完膚なきまでに叩きのめすキャラだったため、互いに封印しあう関係を目指す!と。その結果が「小市民」。

…あほくさ。
だって「目立つ」と言っても学校や日常で起った「ちょっとした出来事」の理由や疑問を解決しただけのこと。
殺人事件を解決したり、おおっぴらに目立つわけでもないのに。そんな、「自分は知恵がよく回る」的な自慢ですか?って感じ。
まあ、本編では詐欺集団の摘発に一役買うんだけど。
それがまた「小市民になりそこねた」とか言う落ちなんで
なんかなあ…
諦念と儀礼的無関心を自分の中に育んでそしていつかは掴むんだ、あの小市民の星を。

失礼だな。

で、私も思ったことを最後の解説で「極楽トンボ」なる人がこう書いてある。
個人的にはいっそのことミステリ要素をスッパリなくしてひたすら青春小説路線を突っ走ってみたら面白いんじゃなかろうと思ったりしますが…


全くその通り。
ライトノベル的ミステリーと言うかめちゃくちゃ中途半端。
とはいえあくまでも「このミス」に推薦されたのは「秋限定」なのでこの「春季限定」が 駄作イマイチでも仕方ないのかな?と思った。
「秋限定」を読む前に「夏季限定」があるので、もう少しレベルアップされていることを希望する。

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