なんだろ?これ??????
近未来ミステリーですか??(「コールドスリープ」を扱うから)

登場人物的には『ナイチンゲールの沈黙』を読んだ人には「懐かしい」と言うより成長記録となり『医学のたまご』を読んだ人には佐々木アツシ君がなぜ「天才少年」になりえたのか理由がわかるのですが。(特に曾根崎教授が息子=薫の助っ人にアツシを指名したのかも)

簡単に言えば一連のバチスタシリーズを読んでいる者にとっては「楽しい」いのかもしれないけど、この本一冊を単体で読むと「…」となる。

それにしても国立大学医学部卒を捕まえて失礼かもしれないがバカ の一つ覚えのように「Ai」を連呼している作家だなあ…と過去に書いたけど今回は
「ロジック」(=論理、筋道)を連呼するなあ…と。

大体、日常生活において「ロジック」が成り立っていることの方が少ないと思うのに、どんだけ普段「ロジック」だけで成立している世界にいる人なんだ?って思う。
この人の本が面白くない と感じる理由は、突き詰めると「冷たい」「突き放した」感があり、人間の機微が描かれていない 表面的なストーリーはあるけれど、深みとか共感が一切得られない構造だからだと思う。
国立大学医学部と比較するのは失礼だが、高卒の宮部みゆきの方が大多数の人間が持っている人間の感情=裏の気持ちも良くも悪くもを適切な表現方法で表に表すからこそ、そこに感動もし余韻も感じられるのではないかと思う。(最近、不調のようだが…)

この作者は忙しいであろう医者の仕事の合間の二束わらじで書いている、という背景があるから読めるのであって、作家を本業にしたらここまで売れるのか?とう疑問すら最近の本では感じられる。

結局、本書では「何が言いたかったのか?」とおバカには理解できない結果であった。バチスタファミリーの登場人物の名前を全て削除したうえで、全く一登場人物に置き換えた時にこの話は一体どこに面白さがあるというのだろう?
下手にバチスタファミリーを絡ませるから、話がぼけた感じがするのだが。

最後のオチは作者的には「どうだ!!」感たっぷりだけど、私は不快。
なぜなら

好きな男、しかも年下に 自分の年老いていく姿を毎日見られる かと思うと…
残酷の何物でもない。
それを「将来、二人が楽しみ…」なんて感想よく書けるなあ…と他の人の感想を読んで思った。

要はこの本もテーマがてんこ盛り過ぎて分散しすぎて言いたいことが見えなくなっているってことですな。

コメント