デビュー作だそうで、借りることが出来ました!!(喜)

しかしですね、あとがきに「大賞を取ったので必然的に文庫で出版。
しかし、担当さんの尽力でハードカバーで出版。で、最終的に角×文庫で出版」と
計3巻出版されているそうで。
私が読んだのはハードカバー。最初の文庫本とはメイン読者層を変えて内容もさっくりと手直しされているそうで。
このあとがきを読んで納得。
だって、本来もっと盛り上がるべき箇所=結晶をアタックする場面がすっぽりと抜け落ちており「あれ??いきなりエンディング?」と違和感大でしたから。

ただ、手直し版にしたら「?」に感じられる変な文章になっている箇所が見受けられたこと。これがデビュー作手直し無しだったら「勢いがあってよろしい」とかですませられるんだけど。
「汚名挽回」的な流して読めば引っかからないような部分なんだけど「あれ??」と何か自分のセンサーに引っかかる用語使いがあった。
もしかして「方言」とか若者には通じる「隠語」なのかもしれないけど。
おばちゃんにもわかるように共通語でお願いします。

一見SF。中身しっかり恋愛ものという「ツンデレ」←死語ですか
謎の結晶が落下してきて、それを「見た」人は「塩の柱になる」というわくわくする設定に加えて自衛隊の決死の行動!みたいに嫌でも盛り上がるアクションもの。さらに恋愛もあって「アニメ」みたいですが。
ライトノベルなのでこんな要素を盛り込まないとNGなんでしょうね。
その分ハードカバーは戦闘シーンをカットしたんでしょうが、正直中途半端。
設定はそのままで全編作り直してほしかったな。
だって、「見たら」NGなものに対して戦闘機で爆弾打ち込むという作戦であれば
ターゲットロックオンするパイロット自身が「塩」になるからその作戦は不可能に近いのに…
だから「行かないで!!」とヒロインが哀願するわけで。
なのにその部分がカットされたら「どうやって爆弾を落とした?」と説明不足。

「愛する者の為に命を投げ出す」そこに男のロマンがあるから人は惹かれるのである。そう「宇宙戦艦ヤマ×」のように。
ららら、真っ赤なすかーふ~~~なわけで。
そこを女の都合だけでただの恋愛ものにしちゃったら、ねえ…
タダの「重たい女」にしか見えないよ。

あと、どうしても突っ込みたいのが秋庭(男の主人公)の友人「入江」の設定。
「難関国立にストレートで合格。卒業後は警視庁科学捜査研究所を志望してあっさり合格」と秋庭が説明。けれど身分は「警視庁のヒラ」と言うことは一般警察官?だって、もしT大設定だったらキャリアだから「警視庁」じゃなくて「警察庁」配属でない??で、警察官がいくら混乱しているとはいえ自衛隊の駐屯司令の職に就くことのができる?????
そもそも人の下に付くことが嫌いな入江が「ヒラ」の地位で我慢できるわけないのに。
元警察官の本にも「T大卒だけど『自分の本当の力を試したい』と一般で警察に入ったものの大学の同級生とスタートの身分からして違うし、それ以上に仕事の内容に差がありすぎて結局、警察辞めた」って書いてあるのに。
それならいっそのこと初めから防衛省勤務にしとけばいいのに…
科捜研レベルの研究機関なら防衛省にもあるだろ~~に。
なんでこんな設定にしたのかなぞだ。しかも手直し版でも放置するとは…

まんまデビュー作なら合格点以上なのに、そこそこ作家として活動して書き溜めたものを追加して一冊に仕上げているのであれば、これはちょっとお粗末としか言いようのない一冊。
てなわけで、初めのオリジナルの文庫本を読んで比較したいもんだ。

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