魚舟・獣舟 上田早夕里著
2012年11月13日 読書
久しぶりに本格的なSFを読んだな、と言う気にさせる本。
これと比較しちゃったら新井素×なんて小中のお子ちゃま向けSF的子供のわがままの羅列に思えるほど。(まあ、読者層を意識してあそこまでひどいのかもしれないけど)
SFって実は近未来でなく「今」を形を変えて揶揄しているのねって言うのをいまさらながらに気が付かされた。
特に『くさびらの道』は日本全土が奇妙な感染症が蔓延しつつあり、主人公の友人が極秘情報として「できるのなら海外に脱出しろ」とまでアドバイスしてくれているのに「好奇心、猫をも殺す」状態で汚染された自分の実家を訪問する話。
しかも
と、主人公の実家は兵庫県。汗
すでに実家の両親と妹との連絡は取れなくなっており、死体も職員たちの手によって処理されているのであくまで家に立ち寄り、家族が手紙でも残していないかな?ってノリで一般人は立ち入り禁止区域に踏み込んでいく。
ここで、作家さんは女性だけれど男性の心理をよくわかっているなあ、と。
心理と言うか行動パターン。
主人公が女であれば「もう処理されているのにわざわざ禁止区域に入って、菌をばらまいて子供に感染したら困る」と訪問を中止すると思うのだが。
(妻と子は 安全な関東方面に生存中)
私だったら行かないけどなあ…と思いながら読んでました。
男女差もさることがながらもしかしたら「実家」に思い入れの比重も関係するのかも。
結婚前の実家が「いい思い出」ばかりなら、たとえ「死の町」になっていても訪れたいだろうし、結婚後の方が幸せであれば現状を維持して、過去を思い出すこともないだろう、と。
「死の町」を訪問するかしないかは一種の「踏絵」であり、その人の感情を知るバロメーターかもしれないなあ…とも。
うん、私は絶対行かない!笑
私の家族は両親や兄弟ではなく、旦那であり子供たちだから。
ところで、表紙のイラストが懐かしい感じ。
http://kicchan.s19.xrea.com/img/hayakawasf.html
↑
これらを思い出してしまった。
自分が小学校時代から通っていた図書館の大人のコーナーと呼んでいた(要は一般図書の部)一角に専用ボックスでこのシリーズが鎮座しておりました。
なんか一種独特なムードを醸し出しており、子供心に「これは子供が読んじゃいけないんだ…」って思ってました。笑
イラストにたまにすっぽんぽんのお姉ちゃんが描いてあって余計にそう思ったのかも。あと、作家名がカタカナの羅列だったし。
でも、友人とこっそりその棚に忍び寄り、まるで公園に落ちているエロ本を覗き見するあのワクワク感に似た体験だったのかも。笑
あれ、一緒に集団(と言っても2,3人だろうけど)で見ることにより、共通の「秘密」を共有することにより、結束も深まっただろうなあ…当時は。
今だと個人でネットでエロサイトを訪問するぐらいで、「秘密の共有」と言う一体感を味わえないんだろうなあ…気の毒に。(違)
なんで朝からエロ話してるんだろう?自分。
これと比較しちゃったら新井素×なんて小中のお子ちゃま向けSF的子供のわがままの羅列に思えるほど。(まあ、読者層を意識してあそこまでひどいのかもしれないけど)
SFって実は近未来でなく「今」を形を変えて揶揄しているのねって言うのをいまさらながらに気が付かされた。
特に『くさびらの道』は日本全土が奇妙な感染症が蔓延しつつあり、主人公の友人が極秘情報として「できるのなら海外に脱出しろ」とまでアドバイスしてくれているのに「好奇心、猫をも殺す」状態で汚染された自分の実家を訪問する話。
しかも
私たちは国道四十三号線を横断し、←あれ、聞いたことのある国道名だなあ…
北に向かって十五分ぐらい歩いた。やがて阪神電鉄の駅にたどり着いた。←おいおい!!!
と、主人公の実家は兵庫県。汗
すでに実家の両親と妹との連絡は取れなくなっており、死体も職員たちの手によって処理されているのであくまで家に立ち寄り、家族が手紙でも残していないかな?ってノリで一般人は立ち入り禁止区域に踏み込んでいく。
ここで、作家さんは女性だけれど男性の心理をよくわかっているなあ、と。
心理と言うか行動パターン。
主人公が女であれば「もう処理されているのにわざわざ禁止区域に入って、菌をばらまいて子供に感染したら困る」と訪問を中止すると思うのだが。
(妻と子は 安全な関東方面に生存中)
私だったら行かないけどなあ…と思いながら読んでました。
男女差もさることがながらもしかしたら「実家」に思い入れの比重も関係するのかも。
結婚前の実家が「いい思い出」ばかりなら、たとえ「死の町」になっていても訪れたいだろうし、結婚後の方が幸せであれば現状を維持して、過去を思い出すこともないだろう、と。
「死の町」を訪問するかしないかは一種の「踏絵」であり、その人の感情を知るバロメーターかもしれないなあ…とも。
うん、私は絶対行かない!笑
私の家族は両親や兄弟ではなく、旦那であり子供たちだから。
ところで、表紙のイラストが懐かしい感じ。
http://kicchan.s19.xrea.com/img/hayakawasf.html
↑
これらを思い出してしまった。
自分が小学校時代から通っていた図書館の大人のコーナーと呼んでいた(要は一般図書の部)一角に専用ボックスでこのシリーズが鎮座しておりました。
なんか一種独特なムードを醸し出しており、子供心に「これは子供が読んじゃいけないんだ…」って思ってました。笑
イラストにたまにすっぽんぽんのお姉ちゃんが描いてあって余計にそう思ったのかも。あと、作家名がカタカナの羅列だったし。
でも、友人とこっそりその棚に忍び寄り、まるで公園に落ちているエロ本を覗き見するあのワクワク感に似た体験だったのかも。笑
あれ、一緒に集団(と言っても2,3人だろうけど)で見ることにより、共通の「秘密」を共有することにより、結束も深まっただろうなあ…当時は。
今だと個人でネットでエロサイトを訪問するぐらいで、「秘密の共有」と言う一体感を味わえないんだろうなあ…気の毒に。(違)
なんで朝からエロ話してるんだろう?自分。
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