先日読んだ『からくりからくさ』の前編(?)に当たる本。
こちらは児童書として発行されている。
『からくり…』を読んだ時はスッキリしなかったものがこちらを読むとなるほどこうやって伏線張っていた「答え」がこうだったのか…とわかるのだが、やっぱり『りかさん』を読んでいない読者にも楽しめるようにした作りにして欲しいなあと思う。

児童書にしてはかなり難しい内容だと思うし、小学5,6年生から中学生の女子ぐらいがターゲットかな?古典が好きな子なら最後まで読めるかもしれないけど低学年だと100%途中放棄しそうだ。

これを読むと今年もちゃんとお雛さんを出さないとだめだな、と思わさせられる。
最近は男雛と女雛をまっすぐに正面を向かせて置かず、若干内側に向けて置いている。せっかく明るい場所に出てきたのに正面を向いていたら「喋りにくい」でしょ。ヒソヒソ喋るにしても少し内側を向いていたら顔も見れるし。笑
せっかく二人で一年で一回の再会なんだから楽しく過ごして頂戴!そんな感じ。
雛は自分たちを現しているのだとしたら…

自分が小学校の頃、母親が「お雛さんは人形のお祭りだから他の人形も下の方に並べて良いよ」と言っていた。お雛さんの前で人形遊び(主に動物の形をしたぬいぐるみ)をしていたっけ。
あれもあながち間違っていなかったんだな、と。
後は人形の言葉が聞き取れていたら良かったのかも。

…こんな風に感じ取れる子ならこの『りかさん』は面白いんだろうな。


ようこのおばあちゃんの言葉が折り返しに書いてある。
「…人形の本当の使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとことん整理してあげることにある。木々の葉っぱが夜の空気を露に返すようにね。
…気持ちはあんまり激しいと、濁っていく。
良いお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸い取っていく。
…修練を積んでいない人形は、持ち主の生気まで吸い取りすぎてしまうし、濁りの部分だけ持ち主に残して、どうしようもない根性悪にしてしまう事もあるし。
だけど、このりかさんは、今までそりゃ正しく大事に扱われてきたから、とても、気立てがいい。」

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