元々1994年に発行された児童書を改題加筆にしたのが初めの4編で、
古いものをそのまま新刊文庫として出すのは「どうよ?」という事で新たに(2011年11月頃)に書いた『17年後(前編)』を収録したもの。


まず、最初の4編を読んだ段階で思ったのは
このひと、全然進歩していない。」ということ。
先日読んだ『竜宮ホテル』が2011年9月に書かれた物(あとがきより)としたら1994年に書かれたものと比較していくと…

1.風早と言う土地がお約束
2、元はホテルだった建物がアパートになって利用
3、お母さんは妖精のような線の細い儚く弱弱しいタイプ←今どきこんな設定す                           る?????
4、お父さんは手のひらが分厚く、あったかタイプ。
  娘にプレゼントを渡したいのだが渡せず
5、猫耳娘、幽霊等摩訶不思議な住人が出てくる
これらが「定番」らしい…汗

それでも1994年に書かれた物はあとがきによると
「担当さんに7回書き直しを命じられたのでした」
とあるように、まだ「一生懸命書いてます」感があるので許せるのに『竜宮』はどうよ…内容も全く無かったし。ただの過去の作品の焼き直しもいいとこ。
なのにこの人
「今はもう、私は原稿の直しはほとんどしません。
直してくださいと言われないからです。第一稿でそのままゲラにできる作品を書ける作家であるということが、私のささやかな誇りです。」





痛い
痛すぎるよ、この女

そりゃ、言わんでしょう。今時の20代30代のいかに人に嫌われずに当たり障りなく存在感が薄い事にかけてはピカイチの世代の編集者が本人いわくの
20年くらい物語を書いて生きている、とうのたった児童文学作家です。
という「局」に対して

「先生の作品、全然面白くないです。いつもワンパターンで」とは言いませんよ。
ただ、ひたすらに褒めちぎって使いまわしすぎて擦り切れた内容でも読者層は低学年なので永遠に読んでくれますから、おだてて新作を出させさえすれば彼らの仕事はこの段階ではOKですから。
読んでつまらなくて、読書が嫌いになる子供が大量に発生してもその頃には
もっと違う作家の担当をしてますから。

後半の『17年後』は『竜宮』に比べてまだ読みごたえがありましたが、2巻目も同じような内容が延々と続くんだろうなあ…はあ…

読んでよかった…と言う感想は絶対に書けないだろうな、と期待は果てしなく0ですが、まあ、読んでみるかあ…
それにしても世間知らずな人だなあ…子供向けな話を書いているから世間で言う
「お世辞」なんてものが存在すること知らないんだろうか?とある意味「あとがき」の自画自賛振りが一番面白い作家さん。

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