困ってるひと 大野更紗著
2013年5月4日 読書
なんていうか…世の中奇病に侵される人っているんだなあ…そして妙にパワフル。
福島原発避難ラインぎりぎりに実家がある著者が一浪の末、上智のおフランス学科に入学後、ビルマ(ミャンマー)難民と言うテーマに取り組み、タイやビルマにフィールドワークを広げつつ学者としての人生を歩みつつあった時にいきなり発症。しかも原因不明の為病名も付けてもらえず病院を作者が難民…
難民を助ける活動をしている人間が病院を漂流…
笑うに笑えない状況を楽しく(?)まとめた一冊。
病名確定の為の検査に一年。
その後の入院が9か月…
しかも特定疾患…
未だに治療方法も見つからず…
検査の一つを行った「ワンダーランド」の現実。
「診療報酬」の壁と「行政」壁。
元気なら絶対に知らなかったことが病気を通じてこの人の血となり肉となる。
頭でっかちの学者ではなく、体験を持ってこの国(日本)というものを知っていくのであった…
みたいな?
私も人間ドックでいきなり「今週で都合のつく日があれば、即MRIの予約を!」と先生に言われ、そこの総合病院の「小児科」と「耳鼻咽喉科」以外の科は
「全て」受診した私も、この「病名が確定するまで」の日々の不安だったことを
思い出す。
「もしかして、私、癌??」とか結構不安になったもんです。
なので、この作者の様に「なんでしょうかねえ?????」で「とりあえず、この薬を飲んで…」なんて言われた日にゃたまったもんじゃない。
なんか日本の医療ってしっかりしているようで超不安定なんだなあ…と思わずにはいられない。
例えば今の時代もう「癌」なんて、正直「誰でもなりうる病気」の一種。
うちの母親みたいに「切れば痛いの、治るんでしょ」とそりゃ~気楽にやってます。(まあ、本当は絶対痛いと思うけど…)
そうやって治療法、対策等がもうある程度わかっている病巣ならまだしも、
この人の様に「前例のない難病」にかかって不安にならない方がおかしい。
けれど現実は無常で、動けない本人に代わって友人等に手伝ってもらうのだが
ある日、友人が「もう、無理」「結構陰で言われているよ」なんて無常薄情な宣言をする。
う~~~ん。
愚痴、言いませんかね?言いますとも!私なら。
言ってどうなるわけでもないけど、でも、なんで自分が…って思ってしまう。
治るか治らないかもわからない。自分の人生が今後どうなるかもわからない。
25歳の女子学生が不安を口にし、愚痴るのは当然ではないかな。
まあ、自分の経験を振り返って経験をしたことの無い人に言っても理解されない=愚痴る相手を見極めよう!ってのは必須!
私の場合は職場の愚痴を「 働いたことの無い人」にした挙句、
何のことは無い私の愚痴=仕事できないくせに口だけは出してエラそう!
と非難していた人そのもののタイプに愚痴ってたんだから。笑
そりゃ、理解もされないし、後で陰で悪口言われてもねえ。笑
(しかもご丁寧に年賀状を送ってくるときたもんだ。こっちが返信していないのに。そうやって「気が付かない」人のタイプが職場にいたから愚痴ってんのに)
なので、作者も今後言うにしてもせめて「入院経験のある人」位にとどめましょう。入院の窮屈さを全く知らない人に言っても無駄。
結局は「体験したことの無い人」及び「想像力の無い人」に何を言っても無駄なんですよ。
で、作者の底力的な圧倒的なパワーを見せた後半。
他のレビューで「結局、男かよ」的な蔑視が見受けられたんですが
いいじゃないですか。男がきっかけでも。
それで生きる気力がみなぎったんだから。
あのまま、ダラダラと先の見えない入院生活をして正直「実験体」としてしか
扱われて人生終わるかそれこそ「ワンダーランド」に押し込まれるか。
それなら、彼女の取った(正直、無謀と言えるけど)行動は「素晴らしい」と
私なら思うけどな。
まあ、医者からしたら「責任問題」と言う課題があるので「こっちに責任を負わさなきゃ、何してもいいよ」的なダークな感情も見え隠れしてますが。
その証拠に、強制退院を決行した時にご両親に医者が言った
はあああああああああああああああ???????????
治療法があって、設備も十分あって援助も十分得られる環境で言うのならまだしも、実家も原発問題で青息吐息。何より本人が外出もままならない身体状況なのにこれ、言う?!
(「主治医の意見書」もヘルパー等が付かない位のチェック項目だったという表記の時も「はああ?無理でしょ」と素人でも思ったのに…
医者の「嫉妬」とか「嫌がらせ」にしか思えなかった)
ただ、今後もこの医者たちを「主治医」として付き合っていくならこんな風な
医者バッシングに繋がったり、以前付き合ったことのある医学生の存在をほのめかす表記も書くべきことではないのかな?と老婆心。
病気も治りました、もうこの医者たちとも今後一切お付き合い有りません!
という距離感なら書いても(医療問題としてでも)良かったんだけどね。
そこに若干「若さ」みたいなものを感じました。
世渡りベタだなあ…みたいな。
なので、そこは25~6歳の子が書いたのだから編集者が「世の先輩」として
チェックを入れるべき箇所だと思います。(編集者がもっと子供だったのかもしれないけど…)
とにかくお尻の肉が流出して空洞化してでも、まだ、生存されているご様子なので、感染症には気を付けてお過ごしくださいとエールを送らせていただきます。
福島原発避難ラインぎりぎりに実家がある著者が一浪の末、上智のおフランス学科に入学後、ビルマ(ミャンマー)難民と言うテーマに取り組み、タイやビルマにフィールドワークを広げつつ学者としての人生を歩みつつあった時にいきなり発症。しかも原因不明の為病名も付けてもらえず病院を作者が難民…
難民を助ける活動をしている人間が病院を漂流…
笑うに笑えない状況を楽しく(?)まとめた一冊。
病名確定の為の検査に一年。
その後の入院が9か月…
しかも特定疾患…
未だに治療方法も見つからず…
検査の一つを行った「ワンダーランド」の現実。
「診療報酬」の壁と「行政」壁。
元気なら絶対に知らなかったことが病気を通じてこの人の血となり肉となる。
頭でっかちの学者ではなく、体験を持ってこの国(日本)というものを知っていくのであった…
みたいな?
私も人間ドックでいきなり「今週で都合のつく日があれば、即MRIの予約を!」と先生に言われ、そこの総合病院の「小児科」と「耳鼻咽喉科」以外の科は
「全て」受診した私も、この「病名が確定するまで」の日々の不安だったことを
思い出す。
「もしかして、私、癌??」とか結構不安になったもんです。
なので、この作者の様に「なんでしょうかねえ?????」で「とりあえず、この薬を飲んで…」なんて言われた日にゃたまったもんじゃない。
なんか日本の医療ってしっかりしているようで超不安定なんだなあ…と思わずにはいられない。
例えば今の時代もう「癌」なんて、正直「誰でもなりうる病気」の一種。
うちの母親みたいに「切れば痛いの、治るんでしょ」とそりゃ~気楽にやってます。(まあ、本当は絶対痛いと思うけど…)
そうやって治療法、対策等がもうある程度わかっている病巣ならまだしも、
この人の様に「前例のない難病」にかかって不安にならない方がおかしい。
けれど現実は無常で、動けない本人に代わって友人等に手伝ってもらうのだが
ある日、友人が「もう、無理」「結構陰で言われているよ」なんて無常薄情な宣言をする。
う~~~ん。
愚痴、言いませんかね?言いますとも!私なら。
言ってどうなるわけでもないけど、でも、なんで自分が…って思ってしまう。
治るか治らないかもわからない。自分の人生が今後どうなるかもわからない。
25歳の女子学生が不安を口にし、愚痴るのは当然ではないかな。
まあ、自分の経験を振り返って経験をしたことの無い人に言っても理解されない=愚痴る相手を見極めよう!ってのは必須!
私の場合は職場の愚痴を「 働いたことの無い人」にした挙句、
何のことは無い私の愚痴=仕事できないくせに口だけは出してエラそう!
と非難していた人そのもののタイプに愚痴ってたんだから。笑
そりゃ、理解もされないし、後で陰で悪口言われてもねえ。笑
(しかもご丁寧に年賀状を送ってくるときたもんだ。こっちが返信していないのに。そうやって「気が付かない」人のタイプが職場にいたから愚痴ってんのに)
なので、作者も今後言うにしてもせめて「入院経験のある人」位にとどめましょう。入院の窮屈さを全く知らない人に言っても無駄。
結局は「体験したことの無い人」及び「想像力の無い人」に何を言っても無駄なんですよ。
で、作者の底力的な圧倒的なパワーを見せた後半。
他のレビューで「結局、男かよ」的な蔑視が見受けられたんですが
いいじゃないですか。男がきっかけでも。
それで生きる気力がみなぎったんだから。
あのまま、ダラダラと先の見えない入院生活をして正直「実験体」としてしか
扱われて人生終わるかそれこそ「ワンダーランド」に押し込まれるか。
それなら、彼女の取った(正直、無謀と言えるけど)行動は「素晴らしい」と
私なら思うけどな。
まあ、医者からしたら「責任問題」と言う課題があるので「こっちに責任を負わさなきゃ、何してもいいよ」的なダークな感情も見え隠れしてますが。
その証拠に、強制退院を決行した時にご両親に医者が言った
社会の制度や障害の制度や他人をむやみに頼ってはなりません。
そういった精神が治療の妨げになります。
はあああああああああああああああ???????????
治療法があって、設備も十分あって援助も十分得られる環境で言うのならまだしも、実家も原発問題で青息吐息。何より本人が外出もままならない身体状況なのにこれ、言う?!
(「主治医の意見書」もヘルパー等が付かない位のチェック項目だったという表記の時も「はああ?無理でしょ」と素人でも思ったのに…
医者の「嫉妬」とか「嫌がらせ」にしか思えなかった)
ただ、今後もこの医者たちを「主治医」として付き合っていくならこんな風な
医者バッシングに繋がったり、以前付き合ったことのある医学生の存在をほのめかす表記も書くべきことではないのかな?と老婆心。
病気も治りました、もうこの医者たちとも今後一切お付き合い有りません!
という距離感なら書いても(医療問題としてでも)良かったんだけどね。
そこに若干「若さ」みたいなものを感じました。
世渡りベタだなあ…みたいな。
なので、そこは25~6歳の子が書いたのだから編集者が「世の先輩」として
チェックを入れるべき箇所だと思います。(編集者がもっと子供だったのかもしれないけど…)
とにかくお尻の肉が流出して空洞化してでも、まだ、生存されているご様子なので、感染症には気を付けてお過ごしくださいとエールを送らせていただきます。
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