なんか気持ち悪い…
昭和の時代を感じる…とでもいうのか…
淫靡な闇の様などすぐろ~~~い不快感たっぷりの読後感。
多分、芳子の話し方が古臭いので昭和臭を感じるのだろう。
そして最近ラノベという「かる~~~~~~~い」文体に毒されている
割合がいかに高いか、という事かも。

芳子と周也と言う血のつながりは全くないが施設で姉弟の様な関係だっただけで
大人になってもず~~~と一緒に暮らしている設定。
そこに男女の関係、感情があれば少しは理解できるのにあくまでも「姉弟」。
実際周也の方は別の女と結婚したい、と言って別居することもある。
けれど、全編「不幸」「負」しか書かれてなくて、どこまでも「不幸」に
なるしかない話(元々は『小説現×』に連載ではなく短編掲載。多分、雑誌で
この話を読んでもちっとも面白くないと思う。全編を通して読んで初めて
一つに繋がる構成。けど、なんで連載じゃなかったんだろう?暗すぎ?)。
姉弟に少しでも「好意」を見せた人がことごとく「不幸」に見舞われるって
どんだけ疫病神なんだ?コイツら?って感じ。

そしてだんだん芳子の周也の接し方を見ていると
散々甘やかして育てたバカ息子を溺愛した挙句、息子がひょんなことから
人を殺して母親に泣きついたら「ママが何とかします。あなたは悪くない!」
って感じでその死体をバラバラにして捨てる…みたいなあの感覚。
そう、姉ではなくどこまでも息子をダメにしていく母親そのものであることに
気が付く。
本当は芳子自身が「一人になりたくない!」と言う気持ちがあるのに
言えずにそれをうま~~くごまかして結局周也と言う男もダメにしていく。
なんか、蛇が体に巻き付いて徐々に力を入れて絞め殺していくイメージ。
印象に残らない平凡などこにでもいる女=芳子 なのにやることえげつないというかあんたが一番どす黒いのと違う?と。

もし、芳子が施設を出た時点で周也との関係を断ち切っていたら
周也も初めは泣き狂ったとしても「世の中、自分の思う通りにはならないこともある」という事を学習したはずなのに、それを身に着けることなくひたすら
芳子と言う存在に甘え、頼り切った挙句がこの結果、って感じ。

優しそうな雰囲気でいい人ぽいのは仮面で、どす黒いよ、アンタ。

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