チヨ子 宮部みゆき著
2013年6月27日 読書
短編集:収録作品
1、雪娘
2、オモチャ
3、チヨ子
4、いしまくら
5、聖痕
表題作の『チヨ子』はネタばらしをすると「ウサギのぬいぐるみ」の名前。
ウサギにこんな名前付ける????と違和感大だったのですが、そこは
文庫本の特典=解説付きの為、謎が解ける。
しかも他人さんが解説を書くのではなく、解説者が作者に直接インタビューしたものが掲載されているという特典(?)。
チヨ子=亡くなった伯母さんの名前だとか。…そんな理由で…汗
ところで、この表題作について感想を述べるとしたら
話の内容をぶった切って説明するとしたら、キグルミのバイトをしたらなぜかその目を通すと他の人までがぬいぐるみだったり、ガンダ×だったり、メンコの様な薄っぺらいものに見える。それはその人が昔大事にしていたものの姿になって見えるというもの。
私も例にもれず「ぱんだのぬいぐるみ」です。笑
やっぱり連れてきてますね。この家に。確かに表舞台には飾ってませんが、
できることなら「お棺」に入れて欲しいものの一つです。
作品ではこれだけ多くの人が「思い出」の物を纏っているのに、
纏っていない親子が出てきて、それどころか彼らの背中から黒いものが生えてきている…と言う気持ち悪い話。
この文章を今打ちながら、そういえば今の子って何でもすぐに買ってもらえる環境じゃないですか。飽きたらポイ!飽きたらポイ!の繰り返し。
もしかしたらこんなことがだんだんと冷たい人間を作り出しているのかも、って。
一つの物を最後まで、それらと自然と別れが来るまで側に置いておくってことが無いのは一種の不幸かもしれない。お守り=心のよりどころが無いってことだから。
まあ突っ込みどころとして、なんで5年前にこの着ぐるみを着た「田中さん」には見えなかったのか不思議だし、できたら田中さんの身内が過去に着ていたけどバイトを終えた途端人が変わったかのようにまじめになった…とか、この主人公も悪い方に転びそうだった時にこのバイトをして思い直した…と言ったエピソードの方がなぜ主人公だけ「見えた」のか説得力があると思うんだけどなあ…
最後の『聖痕』は後味悪すぎです。いつも読後感に「ほっとする」とか「丸く収まる」的な感想を期待すると痛い目に遭います。けど、今の世の中「ありえそう」な話だけにこんな短編ではなく、長編で書いてもおかしくない作品かも。
1、雪娘
2、オモチャ
3、チヨ子
4、いしまくら
5、聖痕
表題作の『チヨ子』はネタばらしをすると「ウサギのぬいぐるみ」の名前。
ウサギにこんな名前付ける????と違和感大だったのですが、そこは
文庫本の特典=解説付きの為、謎が解ける。
しかも他人さんが解説を書くのではなく、解説者が作者に直接インタビューしたものが掲載されているという特典(?)。
チヨ子=亡くなった伯母さんの名前だとか。…そんな理由で…汗
ところで、この表題作について感想を述べるとしたら
話の内容をぶった切って説明するとしたら、キグルミのバイトをしたらなぜかその目を通すと他の人までがぬいぐるみだったり、ガンダ×だったり、メンコの様な薄っぺらいものに見える。それはその人が昔大事にしていたものの姿になって見えるというもの。
子供の時に大好きだった玩具。
夢中になって、何時間でも一緒に遊んだ相手。添い寝して夢の中まで付き合ってくれた。大切な大切な空想の友達。
ぬいぐるみでは、一番人気はパンダのようだった。
大人のお客さんたちのぬいぐるみはほとんどみんなが、どこかしら
傷んで汚れていた。手が取れていたり、耳が切れていたりするものも多い。
私も例にもれず「ぱんだのぬいぐるみ」です。笑
やっぱり連れてきてますね。この家に。確かに表舞台には飾ってませんが、
できることなら「お棺」に入れて欲しいものの一つです。
作品ではこれだけ多くの人が「思い出」の物を纏っているのに、
纏っていない親子が出てきて、それどころか彼らの背中から黒いものが生えてきている…と言う気持ち悪い話。
あの母子の背中にくっついていた、不気味な黒い物。
世の中に漂う、悪いもののことを。私たちは誰だって、それに憑かれる危険があるのだ。そして悪い事をしてしまう。
でも、ほとんどの人がそんな羽目にならないのは、身にまとっている着ぐるみや
玩具たちに守られているからじゃないのかな。
何かを大切にした思い出。
何かを大好きになった思い出。
人は、それに守られて生きるのだ。
それが無ければ、悲しいくらいに簡単に、悪いものにくっつかれてしまうのだ。
この文章を今打ちながら、そういえば今の子って何でもすぐに買ってもらえる環境じゃないですか。飽きたらポイ!飽きたらポイ!の繰り返し。
もしかしたらこんなことがだんだんと冷たい人間を作り出しているのかも、って。
一つの物を最後まで、それらと自然と別れが来るまで側に置いておくってことが無いのは一種の不幸かもしれない。お守り=心のよりどころが無いってことだから。
まあ突っ込みどころとして、なんで5年前にこの着ぐるみを着た「田中さん」には見えなかったのか不思議だし、できたら田中さんの身内が過去に着ていたけどバイトを終えた途端人が変わったかのようにまじめになった…とか、この主人公も悪い方に転びそうだった時にこのバイトをして思い直した…と言ったエピソードの方がなぜ主人公だけ「見えた」のか説得力があると思うんだけどなあ…
最後の『聖痕』は後味悪すぎです。いつも読後感に「ほっとする」とか「丸く収まる」的な感想を期待すると痛い目に遭います。けど、今の世の中「ありえそう」な話だけにこんな短編ではなく、長編で書いてもおかしくない作品かも。
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