内容的には女性の「美」に対する熱意、とか執着の話なんだけど
ラストほとんど「ホラー」状態。
怖いけど、怖いもの見たさ(決着)を見たくて
最後まで読んでしまった。


登場人物として
美容整形女医の晶世(あきよ)
40代の女優、條子(じょうこ…って、人名的にはあり得ないのを唯川さんって付けたがる傾向が…汗 
もっとも、よくある名前にして固定人物を想像しない為にかも知れないけど)
20代キャバ嬢、莉子(りこ)
20代後半から30代前半の涼香(すずか)
36歳、編集者の多岐江(たきえ)

とまあ、職業も年齢もバラバラな「サンプル」的登場人物を設定しているんだけど、最終的には「獲物」が同じ…って点では「人間、見かけによらないのね」と
特に一般にどこにでもいる多岐江ですら(というより、手術した場所が一番えげつない気がするんだけど…)
「最後はこうなるのか…」と。

女優と言ったTVに出る、美しくて「当然」な人種が整形を受けたり、
美を保つための注射を打つのは理解できる。
キャバ嬢も若さだけが勝負なのでそれも理解できる。
けど、子供もいる多岐江がまずどこを「お直し」したいかと問われて
「妊娠線を失くしたい。肉割れの後も失くしたい」と申し出た時
それって「無かったことにしたい」=「今の生活に全く満足していない」ってことだしそもそも「子どもなんかいらなかった」を暗に示している。
さらに「子どもを産む前のおっぱいに戻りたい」と願い
航を生む前の自分に戻りたい 
 と同じ意味であることに、その時多岐江はまだ気が付いていなかった。

で、社内で声をかけてきた男に泊まりに誘われ、今の「ブカブカ」だと嫌われるという事で「膣縮小」と「会陰の形成、黒ずんだ色をピンクにする。」と言うもの。
へえ~~そんなとこが手術で再生(?)できるんだ~と言う驚きは置いておいて、でも、正直「そこまでする????」って言う驚きがある。
友達からそんなことをしたって告白されたら「ドン引き」するけどなあ…
するのはかまわんが、言わんとってくれって感じ。

一部分「お直し」しても満足できず「ここも」「あっちも」と際限なく手を入れた結果バランスが崩れていくのは想像できる。治すと同時に精神的なものも
伴っていないといくらやっても無駄な気もする。
その失敗例が「涼香」と言いう割り振りなんだけど。

女性なら「美容医療」にはまる危険性は大なので、とりあえずこの本を目を通してから施術してもらっても遅くないかも。
安易な気持ちで「お直し」したら気が付いたらすべてを失っていた…なんてことにならない様に…

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