質草破り 濱次お役者双六 二ます目 田牧大和著
2013年11月24日 読書
デビュー作シリーズ第2弾。
一作目は上手な事上手であったがどこか輪郭がぼんやりした文体だったのが
本作まで数冊も出されたこともあってもうすっかりプロ!!なシャープな文体に磨きがかかりまくり。
しかも、構成が相当上手なようで(理系出身なのかしら??)もう脇役の何気ない性格すらも伏線に利用する徹底ぶり。広げた風呂敷を最後まできちんと収める技は、ベテランと言われる古参作家ですら文章のうまさで読者を丸め込んだ挙句力技で終わらせて後で「あれ?これって矛盾してない??」と違和感を感じさせるのもちらほら見受けられますが、この田牧さんに関してはきちんと収まるようになっていて「なるほどな~」と感心&安心して読み終われます。
子どもの頃から住んでいた長屋を追い出されて通称「後家長屋」に住むことになった濱次。大宅は質屋の姉弟。けれど姉は筋金入りの「芝居者嫌い」とあんまり嬉しくない環境に身を置くことに。
さらに三味線の豊路(トヨジ)が姉と過去に因縁有、さらに質草に「掛け声」にするなど災難に巻き込まれまくりの気の毒な濱次。
さてどうなることやら…
災難に巻き込まれる人って実は「自分から災難に近寄っている」人なんですよね。自分もそう だったからわかるんですが、要は嫌われたくないから八方美人になった挙句良いように利用されただけ、ってことで。
押し付けられたり、断りきれなかったり。
もう少し自分に「芯」を持ってば回避できる災難を自ら招き入れているわけで。
濱次の「ま、いっか~」の性格がまさにそのタイプ。
例えば「上に上り詰める!!」と言う野心たっぷりの人だったらこんな「無駄な事」にかまける時間が無いので「練習するから無理!」とバッサリ切ってしまうのでトラブル回避できる。(ま、言い方一つで別のトラブルを呼び寄せるんでここが難しいところ)
後は八方美人を逆手に取って大量の情報を収集していかに自分にとって有益に立ち回れるかってぐらい「知恵」が働けばまた話は別ですが。(そう言った意味では『三悪人』はこのパターン。このシリーズが好きな私はやっぱり「悪」が好き。笑)
今後もう少し「野心」を持って成長する姿が描かれていくんでしょうか??
一作目は上手な事上手であったがどこか輪郭がぼんやりした文体だったのが
本作まで数冊も出されたこともあってもうすっかりプロ!!なシャープな文体に磨きがかかりまくり。
しかも、構成が相当上手なようで(理系出身なのかしら??)もう脇役の何気ない性格すらも伏線に利用する徹底ぶり。広げた風呂敷を最後まできちんと収める技は、ベテランと言われる古参作家ですら文章のうまさで読者を丸め込んだ挙句力技で終わらせて後で「あれ?これって矛盾してない??」と違和感を感じさせるのもちらほら見受けられますが、この田牧さんに関してはきちんと収まるようになっていて「なるほどな~」と感心&安心して読み終われます。
子どもの頃から住んでいた長屋を追い出されて通称「後家長屋」に住むことになった濱次。大宅は質屋の姉弟。けれど姉は筋金入りの「芝居者嫌い」とあんまり嬉しくない環境に身を置くことに。
さらに三味線の豊路(トヨジ)が姉と過去に因縁有、さらに質草に「掛け声」にするなど災難に巻き込まれまくりの気の毒な濱次。
さてどうなることやら…
災難に巻き込まれる人って実は「自分から災難に近寄っている」人なんですよね。自分もそう だったからわかるんですが、要は嫌われたくないから八方美人になった挙句良いように利用されただけ、ってことで。
押し付けられたり、断りきれなかったり。
もう少し自分に「芯」を持ってば回避できる災難を自ら招き入れているわけで。
濱次の「ま、いっか~」の性格がまさにそのタイプ。
例えば「上に上り詰める!!」と言う野心たっぷりの人だったらこんな「無駄な事」にかまける時間が無いので「練習するから無理!」とバッサリ切ってしまうのでトラブル回避できる。(ま、言い方一つで別のトラブルを呼び寄せるんでここが難しいところ)
後は八方美人を逆手に取って大量の情報を収集していかに自分にとって有益に立ち回れるかってぐらい「知恵」が働けばまた話は別ですが。(そう言った意味では『三悪人』はこのパターン。このシリーズが好きな私はやっぱり「悪」が好き。笑)
今後もう少し「野心」を持って成長する姿が描かれていくんでしょうか??
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