短編集
天国の蠅
ごめん
夏を喪くす
最後の晩餐
の4編収録。
はっきり言ってマハさんが書く女主人公、性格悪いです。
これが都会に暮らし、仕事をバリバリしている女の姿だ!
アンタらのうのうとした主婦とは違うんだ!って感じで。
4編の背景も少なからずマハさんの経歴をベースにしているんだろうな、
と思われます。
『夏を喪くす』では主人公(♀、40歳)がこんな事を言ってます。
のうのうと生きているんで最近服が着れない自分としては「すみませんね~」と
しか言いようが無いんですが、その一方で明日も同じ平凡な毎日で
スリルも刺激も無い日々ですがそれって明日も同じ旦那の愛情があって
それが明日も明後日も永遠に続いて行くであろう「幸せ太り」思考であり
「平和ボケ」の何物でもないんですが、大半の女性がそんなもんで生きている
んじゃないでしょうか?
世界に認められるような大きな仕事をして、素敵な恋人もいて。
その一方で全然「夫」と言う存在には見向きもされず、癌を患っても
相談どころかその事実すらも言い出せないような虚しい関係ではないだけ
マシだと思うのですが。
先の『一分間だけ』の主人公にしてもバリキャリで人には頼らない!!
って意固地な部分が結局彼氏の心が離れていく原因にもなっているし
こんなに毎日ギスギスとした生活を送っていたら心もささくれるだろうなあ…
と思わずにはいられない。
都会でさっそうと生きている女!って聞くと一見「かっこいい!」けど
その実情の一端を見せられたら「毎日平凡だけど、それが(私にとっては)
幸せ」と思えてしまう。
そんな都会の女的な設定はイマイチ共感できないしむしろ同情すらしてしまうのだが、底辺にある「女」の部分には「共感」してしまうのは小説の設定年齢が今の自分に近いからかもしれない。
これが20代30代の未婚女性が読んだら、多分女たちの持つ感情がイマイチ
理解できないだろうなあ。
「そこまでする?!」って言う部分がその一定の年齢だからこそ「自分はそこまでしないだろうけど、状況によったらそれもありかもね」みたいな。
『一分間だけ』に比べたらかなりのビターテイスト。
大人の味の一冊。
表題作の『ごめん』に至っては、主人公が超性格最悪だけど
読み終わった時に何とも言えない気持ちになってしまった。
天国の蠅
ごめん
夏を喪くす
最後の晩餐
の4編収録。
はっきり言ってマハさんが書く女主人公、性格悪いです。
これが都会に暮らし、仕事をバリバリしている女の姿だ!
アンタらのうのうとした主婦とは違うんだ!って感じで。
4編の背景も少なからずマハさんの経歴をベースにしているんだろうな、
と思われます。
『夏を喪くす』では主人公(♀、40歳)がこんな事を言ってます。
ほっそりした手足やたるみの無い下腹は、世間でのうのうと
生きている同い年の主婦たちにはない事を、
心中ひそやかに誇らしく思っていた。
もしも渡良瀬と言う存在なくして、ただ単に夫の愛情と収入を頼りに
生きていたらならば、こんな自分はありえただろうかと、
咲子はバスルームで裸身を鏡に映すたびに思わずにはいられない。
のうのうと生きているんで最近服が着れない自分としては「すみませんね~」と
しか言いようが無いんですが、その一方で明日も同じ平凡な毎日で
スリルも刺激も無い日々ですがそれって明日も同じ旦那の愛情があって
それが明日も明後日も永遠に続いて行くであろう「幸せ太り」思考であり
「平和ボケ」の何物でもないんですが、大半の女性がそんなもんで生きている
んじゃないでしょうか?
世界に認められるような大きな仕事をして、素敵な恋人もいて。
その一方で全然「夫」と言う存在には見向きもされず、癌を患っても
相談どころかその事実すらも言い出せないような虚しい関係ではないだけ
マシだと思うのですが。
先の『一分間だけ』の主人公にしてもバリキャリで人には頼らない!!
って意固地な部分が結局彼氏の心が離れていく原因にもなっているし
こんなに毎日ギスギスとした生活を送っていたら心もささくれるだろうなあ…
と思わずにはいられない。
都会でさっそうと生きている女!って聞くと一見「かっこいい!」けど
その実情の一端を見せられたら「毎日平凡だけど、それが(私にとっては)
幸せ」と思えてしまう。
そんな都会の女的な設定はイマイチ共感できないしむしろ同情すらしてしまうのだが、底辺にある「女」の部分には「共感」してしまうのは小説の設定年齢が今の自分に近いからかもしれない。
これが20代30代の未婚女性が読んだら、多分女たちの持つ感情がイマイチ
理解できないだろうなあ。
「そこまでする?!」って言う部分がその一定の年齢だからこそ「自分はそこまでしないだろうけど、状況によったらそれもありかもね」みたいな。
『一分間だけ』に比べたらかなりのビターテイスト。
大人の味の一冊。
表題作の『ごめん』に至っては、主人公が超性格最悪だけど
読み終わった時に何とも言えない気持ちになってしまった。
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