シリーズ第三弾ですが、私はこの人のデビュー作で「ミステリーとして楽しむもしくは音楽小説として楽しむことより、『小説』の部分を評価する」と書きました。
先編は読後ドビッシーとラフマニノフのCDを掛けましたが、今回はショパンを掛ける気にもなれず。
読書めーた×や密林のレビューでは絶賛評価されている「音楽の描写」ですが
私には「うっぜ~ダラダラ長すぎるねん!!怒」ってぐらい饒舌すぎ。
あのさ~こっちは本を読んでいるのであって音楽を聞いているわけではないわけで。うんちくされてもね、って感じでした。
そんなにショパンを理解したいのであればCDを聞く、コンサート行くなどの
選択肢がこちらにはあるわけで。それを本一冊丸々この曲はこうでああでと
やられた日には…

この展開海堂尊に似ている。さすが宝島社!って感じなぐらい酷似。
例えば海堂がバチスタで医療物とミステリーを混ぜ合わせた物を書き、
それ以上に白鳥と田口の凸凹コンビでエンターテインメント性を高めて
人気が出たのに、その後はまるで「えーあい、えーあい」と連呼しまくった
作品ばかりを書いたり、はては厚生労働省と言った役人や制度に対する
批判と言うより愚痴に近いものを書いてそれを金を出して読ませるという
「あんた、本を出版して一体何を訴えたいの?誰に訴えているの?」と
疑問視する様な作品ばかりになりましたが。たまにエンターテインメント性が
強く出て、その部分だけが映画化&ドラマ化として世に出てきてますが。

それと似て本作ではえらくうんちく描写に重きを置いていて、
つまらないと思った次第。若い人は「感動した」ってなるんでしょうが、
例えばこれは「音楽」ですが医療物だとして延々手術のシーンが書かれていたら
ウンザリしませんか?
A医師のメスさばきはこうでああで…みたいな。
人間の皮膚の下を見た事のない人間が読んで楽しい??そんな感じ。
他の人は「音楽描写が良かった」と散々褒めちぎっているけど、その感覚が
ちっとも理解できなかった。むしろ荒削りであっても「ドビッシー」の方が
良かったと私は思う。

音楽で戦争が止むのなら帰国せずに
戦場でピアノを弾き続けるってのはどうですか?(毒)
ああそういえば『マクロス』が音楽(歌)で戦争を止めさせようと
したんでしたっけね。

音楽描写に重きを置きすぎて他のエピソードとの比率がかなり悪い作品に思えた。全然心に響きませんでしたが。何か?

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