『連続殺人鬼 カエル男』と同じく渡瀬と小手川が出てきますが今回の生贄は槇畑と言う刑事。
猟奇殺人と言うより陰惨と言うか人間がバラバラよりももっとひどいミンチ状になって見つかる…と言う読者の興味をぐっとひきつける。
途中、柴田よしきの『RIKO』シリーズを思い出させる
グロイ表現が出てきてさらに目が離せなくなる。
ネタバレとしてこの作者、結構主要に見える登場人物をあっさり強制退場させます。
「え…マジで」状態。

もっと言えば『カエル』同様、刑事があまりにも女に弱すぎ~~~笑
そして相手にぼろぼろにされすぎ、かつ、スーパーヒーローの様に闘うシーンが延々と続き食傷気味。
というか、同一パターンすぎるのでここら辺はあっさり描写にしてくれたら助かる。

そしてネタバレに類するかもしれないけど、
普通潜入する対象物が「医薬品会社」とか「研究所」って
聞いただけでもやばそうな気がするのに、たとえば
そこが「細菌兵器」を作っているかもしれないし
未知のウイルスが浮遊している可能性だってあるのにも
関わらず何の装備も味方もなしに潜入するというその愚かさに「こいつ、バカ?」と。
と言うより、自分自身が「敵の正体」がおぼろげながらわかってきているのならそれなりの対策を取れよ、と。
ここら辺がイラつきましたね。

とはいうものの、作者の考えはこんな風で
犯罪は時代の鏡であり、その萌芽は日常の中で発生し成長していくものだ。
だから犯罪捜査とは負の要因を一つ一つ拾い集める作業とも言える。
可能な限りのデータを蓄積しなければならない。
それらは全て等価値の物であり、正常だとか異常だとかの区別はない。
たとえば古手川はこの事件を異常者による犯行と決めつけているフシがあるが、何も異常者のみが猟奇的な犯罪に手を染めるわけではない。むしろ、普通人が異常な事件を起こすことこそが今日の犯罪の異常性なのに、この男は自らを
良識の安全地帯に置いて事件を俯瞰している。


ただ、この作者さんどうも警察嫌いのようですが
もう少し本当の警察の組織についてもっと勉強して
書いてほしいなあ…って気がします。
単独行動が許される組織って認識している日本人はほとんどいないと思うのですが…


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