これは原作がいいのか翻訳がいいのか。どちらにしてもこの手の本にしたらストレスなしにスラスラ読めて気持ち良かった。まあ、いつものように女が必要以上にヒステリックになることなくむしろ「これからどうなるんだろう…」と言うワクワク感の方が先にくるし、お互いの気持ちを丁寧に描写しているところが高得点!笑

そもそもいつもこの手にあるような設定ではなく、有名な「放蕩者」な「悪魔の侯爵」「天使の伯爵」と呼ばれるテクニシャンの男二人が「どっちの方が上か?」と言う途方もない「賭け」をすることになり、「一体だれがその審判者になるのか」と言う注目の中、極秘に名乗りを上げたのが「冷たい美女」と噂されるヒロイン。
そもそもヒロイン。亡夫に身も心もボロボロにされ「不感症」「産めない女」とまるでどっかのヤジのようなことを言われ自信喪失。めでたく夫が死んで23歳ながらも未亡人。
この賭けの「審判者」になることによって「非は自分にあるのか?それとも?」と言うことを
確かめ「自分を変えたい!」と言う一瞬「お!3Pか!!!」と言う誤解を招くような設定の裏に切実な女の悲しみを背負っての登場。
最初の一週間は「悪魔の侯爵」と過ごし、さあ変わるのか、変われないのか…と。
それ以上にヒロインがどんどん心を開くことによって体も自然と開いていく過程も丁寧で見逃せないポイント。
一方この賭けのきっかけになったのは「天使の伯爵」が兄妹のように育った娘が結婚することを知り、そこで初めて自分の気持ちに気が付く…と言う一冊で二度おいしい
二組のカップルの恋愛が交互に綴られています。
社交界では「この二人を好きにならない者はいない」と言うぐらいのモテ男二人が
「本当に好きな相手」を前にしたら右往左往している姿が微笑ましい。

と言うわけでこの作家さんの本を続けて読みたいところですが、蔵書が…
一体どういう基準でこの手の小説を購入しているんだろう?
聞いてみたいところ。

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