ロード&ゴー 日明恩著
2014年9月27日 読書
著者名、日明恩=たちもり めぐみ と読みます。
私、この人がどうしてもっと知名度が上がらないのか不思議だと思うぐらい
良い本を書いてます。ええ、珍しく「ファン」です。
この人の書く「消防&警察」ものは本当にリアル描写で素晴らしい!
というか、酒の場で現役消防士&警察官が話してくれる「現場での出来事」のまんまなんで。
作者の身近にこれらの人々がいるのか、それとも念入りな取材の結果なのか知りたいところ。そもそも、海堂尊のように自身がその職場にいてその現場の声を文字にすればそれはダイレクトに偽りなきストレートな意見になりますが、今回の場合のようにその職業についていないにもかかわらず、リアルな意見を反映させるのって本当に難しいと思うから。
例えば『ジウ』のように冒頭はえらく警察組織についてうっとうしいぐらい説明していたから
「これは骨太の警察物か!」と期待したら、何のことないどんどんラノベ化して最後は自爆状態になったのはもうほんと、「時間の無駄だった…」としか言いようがなく。
読者に説明している割に饒舌になりすぎたってことは多々ある。
この人の場合それがなく、うまく作中で消化している。
さて本作。
救急車が爆弾を持った男にハイジャック(適切ではない語ですが)されます。
爆弾を持った男自身も「家族」を人質に取られている状態で。
犯人の要求通り、止まらずに指定された場所にひたすら救急車を走らせる…と言った内容。
電車に爆弾と言えば「コナン」とか「シティーハンター」にもありますが、救急車は初めてでは?
ただの、犯人とのやり取りだけでなく救急車内における「会話」に面白さというか
「現実」が反映されていて(というか、現実に聞いたことのある話)「うん、うん」と。
ベースに「妊婦搬送」におけるむつかしさや「病院選定までの時間のロス」など
時事問題にも触れてます。
正直、このまんま原作をいじらずにストレートにフ×テレビが映像化してもおかしくないと思うのですが。特にラストの風景を頭に浮かべるだけで「かっこえええ~~~」になるはず。ここで下手にいじって、客員動員を狙って下手な「恋愛もの」を加味すると崩壊するの必至ですけどね。それでも調子に乗ってするだろうな、フ×。
『海猿』系といいましょうか、『踊る』系でもいいけど。
P49
P153
P156
P231
ぜひ、読んでください!お奨めの作家さんです!
私、この人がどうしてもっと知名度が上がらないのか不思議だと思うぐらい
良い本を書いてます。ええ、珍しく「ファン」です。
この人の書く「消防&警察」ものは本当にリアル描写で素晴らしい!
というか、酒の場で現役消防士&警察官が話してくれる「現場での出来事」のまんまなんで。
作者の身近にこれらの人々がいるのか、それとも念入りな取材の結果なのか知りたいところ。そもそも、海堂尊のように自身がその職場にいてその現場の声を文字にすればそれはダイレクトに偽りなきストレートな意見になりますが、今回の場合のようにその職業についていないにもかかわらず、リアルな意見を反映させるのって本当に難しいと思うから。
例えば『ジウ』のように冒頭はえらく警察組織についてうっとうしいぐらい説明していたから
「これは骨太の警察物か!」と期待したら、何のことないどんどんラノベ化して最後は自爆状態になったのはもうほんと、「時間の無駄だった…」としか言いようがなく。
読者に説明している割に饒舌になりすぎたってことは多々ある。
この人の場合それがなく、うまく作中で消化している。
さて本作。
救急車が爆弾を持った男にハイジャック(適切ではない語ですが)されます。
爆弾を持った男自身も「家族」を人質に取られている状態で。
犯人の要求通り、止まらずに指定された場所にひたすら救急車を走らせる…と言った内容。
電車に爆弾と言えば「コナン」とか「シティーハンター」にもありますが、救急車は初めてでは?
ただの、犯人とのやり取りだけでなく救急車内における「会話」に面白さというか
「現実」が反映されていて(というか、現実に聞いたことのある話)「うん、うん」と。
ベースに「妊婦搬送」におけるむつかしさや「病院選定までの時間のロス」など
時事問題にも触れてます。
正直、このまんま原作をいじらずにストレートにフ×テレビが映像化してもおかしくないと思うのですが。特にラストの風景を頭に浮かべるだけで「かっこえええ~~~」になるはず。ここで下手にいじって、客員動員を狙って下手な「恋愛もの」を加味すると崩壊するの必至ですけどね。それでも調子に乗ってするだろうな、フ×。
『海猿』系といいましょうか、『踊る』系でもいいけど。
P49
センターの最重要課題は通報者の確保だ。傷病者の状態を知っている通報者からどれだけ情報を引き出すか、それが傷病者の命を救う第一歩にして最大の事なのだ。だから通報者には必ず「改めてご連絡を差し上げるかもしれないですが、
よろしいですか?」と訊ねる。
だが、公的機関から連絡されるのを煩わしく思い、断ったり通話を切ったりする人もいる。
そのような、通報しておいて連絡を絶ってしまう通報者の事を「呼び逃げ」と救急隊員たちは呼んでいる。
P153
「知らないせいなのか、救急車を呼ぶ話じゃねえだろって通報も多いぜ。
どんな通報だろうと、呼ばれれば救急隊は行く。
結果として、絆創膏を貼りゃいいだけだろうと、タクシー替わりに呼ばれただけでもな。
そういう、出場のために、本当に命が危ない通報に応えられないことだってあるかもしれねえ。
P156
「出場回数が多い救急隊が、車も隊員の数も少ないのはなぜだって訊いているんだ」
「それは」答えかけて筒井が詰まる。
「そりゃー、名のごとく、消防庁で消防署だからだろうな」あっさりと生田が返した。
「どういうことだ?」
「消防署はあるけど、救急署はねえだろ。
消防って組織は消防ありきで、救急は後付で出来たからな。
P231
私は救急救命士の資格を持っています。だから気道の確保や点滴など医療行為を行うことはできます。
でもそれは、医師の指示の下で、心肺停止や呼吸停止、心停止の傷病者のみに限られています。」説明しているうちに、森の目に涙があふれる。
「資格を持っていても、傷病者がどれだけ状態が悪くて危険な状態だとしても、
何もできないんです。それが今の法律です」
ぜひ、読んでください!お奨めの作家さんです!
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