三島屋にいる「おちか」が変わり百物語を聞くシリーズ。
短編6編からなる。

個人的には表題作より『くりから御殿』の方が良かった。
あと、『まぐる笛』は不気味すぎ~
『くりから御殿』は震災の後に書かれた作品なのでもしかしてその影響もあるのかと。
未曾有の天災が起こり、あっという間に親しい人が自分の周りからいなくなった。
必死に生きようと頑張ってきたけれど、ある出来事を通して「自分だけ生き残ってすまなかった。許してくれ」と言う気持ちに囚われている男。
許してくれ!と言う心の部分を男の幼少時代のお国ことばで喋るので余計に胸に迫るものがあった。

別にどういう意味を含んでいるのではないだろう。
聞いて、聞き捨て
語って、語り捨て

解釈を述べるわけでもなし、言い訳をするでもなし。
ただ、心の内にある不思議な話を聞いてほしい。
ただ、それで気が済むならお話しください、聞きますから。
ただそれだけの話だけど、
昔話の不思議な話と言うのはやっぱり何か含むのもがあるような。
「心の闇」をテーマにしているのかも、宮部みゆきは。

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