作者自身が老人ホームに入居しての活動のせいか、今回年寄り特有のいやらしさがプンプンして正直鼻白む。
しかしすべては
「ここには本物のニュースっていうのが、ほとんどないから。
私たちは、ほんのちょっとしたことでも、大きなニュースのようにしてしまうのかもね。
とにかく、ここでは誰でも彼もが、他の人たちの事に興味をもってるの。
わかってもらえるかしら」

と言う主人公の言うとおり小さなことを大きくしないと刺激の無さで死期がより一層早まるのかもしれない。
明日は自分がこの施設から存在が消えるのかもしれない…そんな気持ちを表に出さずにひたすら「今」を楽しく生きるにはこれぐらいの大冒険を許してやらんといかんのかなあ…
とはいうものの、自殺、他殺、事故そのどれかもわからない状態で「殺人事件よ~~~~~~」と嬉しそうに入居者に聞き込みに回る姿は正直、醜悪。
娯楽感覚でとらえているってのがちょっと世間が狭いなあ…と。
果ては、犯人がわかって好意を持っていたら「無かったことに」って虫が良すぎませんか?
辛口批評ですが、年寄りだからすべて許される、仲良しだから無かったことにって不平等だと思います。
因みに殺された人も鳥に餌をやっている「優しい人」のイメージがある反面、
上下の入居者からは「死んでよかった」と言うコメントしか出ないぐらい嫌われ者だったという…
人間そうそう年を取ったからと言って丸くなるわけでもなく。
生前トラブルを起こしていた人はやっぱり最後まで大なり小なりの結果、
天国には行けない模様。
残念だけどやっぱりそうならなくっちゃ、マジ目に生きている人間は面白くありません。

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