前作2巻にあった数学の邪魔なだけのうんちくが若干影をひそめた分、
普通のミステリーとしてまあ、なんとか読めた。
ただ、ところどころ出てくるまるで脚本のト書きのような描写は
ほんと、止めてほしい。
そこだけなぜか急に「クサく」なる。

立ち止まる、××
振り返る、××
そんな感じ。大体、百合子の時が多いけど。
ただでさえ「どこかで読んだような…」と指摘されている事を考えると、
それって作者がどこかで読んだり見たりしたのを
思い出して回想しながら書いているからそうなるの?と、勘ぐってしまう。
また、百合子の口調が22,23歳とは思えないほど幼稚
「大丈夫だよ」って…汗
それほど親しくない同級生やその親族がいる場で発する
言葉じゃないでしょう。
これが中高生ならまだしも。
T大院生、才色兼備と言う設定にしてはあまりもお粗末。
リアルの女性との接触が少ないのか?作者。
まるでラノベと専門書を足して割ったかのようなごちゃまぜ感の
ある本書。


そして、司と百合子って本当に血のつながった兄妹?
悟同様、養女なんでは??と。
23年前に何があったのか。
このシリーズは最終的にそこを追求するんだろうか?

あと時代設定を2000年にしているが、
その時代、一瞬電源を入れただけで電波を拾えるだけの能力が
あったのか?とかバックライトが懐中電灯代わりになるほど明るかったのか?
と疑問は尽きない。笑
ある漫画家が「表紙に携帯電話を使うと、時代を感じる。
形状で古さが明白になってしまうから描き直して発行した」とあったけど
時代を現すものを小道具にするときは細心の注意が必要だと思うんだけど。

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