毎日新聞の朝刊に掲載されている、林真理子の新聞小説『我らがパラダイス』。
毎日楽しみに読んでいる。この人やっぱり社会問題を取り上げた小説の方が
向いていると思う。
先日の寝ぼけたような読者が限定される「美女」の話よりも。

さて、メインテーマはズバリ!「介護」。
今日の話は共感しまくりなので抜粋。
因みに今日の主人公は実家の父親がぼけてしまい、自宅に引き取ったまではいいけれど… と言う流れ。

五年後か十年後、とにかく近い将来姑が寝たきりになる。
その時、面倒を見てくれないとかと頼む夫に、こう言い放つ。
(中略)
自分に浴びせられた言葉をすっかりそのまま返すことができたらどんなに気持ちいいだろうか…
夫は怒り狂うだろう。今度の事で良くわかった。
自分の親への感情と、義理の親への感情とは全く違うものなのだ。
いや、反比例すると言ってもいい。
どれほど面倒をかけられさえ、疲れ果てた生活が続いても、
親を見捨てることはできない。
腹立たしさやむなしさの奥に哀しくいとおしい感情がある。
それを意識すればするほど、あちらの親が煩わしいものになるのだ。
それはもしかすると、夫をもう愛していないからかもしれない。
(中略)
目の前にしなくてはいけないことが山のようにあるのだ。
ボケかかった親を介護しながら離婚の話し合いをする、
そんなことができるのは超人だけだ。
普通は目の間の問題に手一杯で、毎日息も絶え絶えに生きているのだから。

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