パティシエシリーズ第三弾。
って、これ、第三弾って書いていいのかな?
一作目から三作目まで全て「テイストが違う」本をシリーズと言っていいのやら。
それこそ本作で色々試作品を作るように、3作全部色々試して書いているような気がする。
まあ、このパティシエーるさん=作家さん、ご自分の本にはかなり自信をお持ちなので「おいしくない」と評価を下すとお怒りになられるのであえて「食べました」とだけ。
シリーズ第二弾。
今度は短編形式で事件を追う!
って、いつのまにか「探偵小説」になっている…笑
フリマで何気に買った「あみぐるみ」のクマ。
それがいきなりおっさんの声で語りかけ「俺は刑事だ。犯人を捜すのを手伝ってくれ」と言い出したら…

と言う話なのですが、主人公の「和子」=「まったり、ほっこり」をキーワードとした雑貨、カフェを持つのが夢でその手の店でバイトに励むのはいいけどすぐ首になるキャラ。

本文ではさらりと
店長さんに『うちはお客様に和んでもらうのが目的なの。あなたがいるとスタッフの間に妙な緊張感が漂って店の雰囲気にも影響するから辞めてくれないかな』って言われちゃって…
とだけの記述。

でも、読んでいてわかる。細かいの、性格が。
話の途中で多くの人が「あみぐるみ」を「ぬいぐるみ」と言うたびに「編みぐるみです!!!!」と返す。うざ~~~
例えば彼氏だったら初めのうちは「きちんとした性格」と評していたのが次第に
「うっせ~~んだよ。編みぐるみでもぬいぐるみでもクマなら何でも一緒だろ!!いちいち訂正しやがって。このブスが!!怒」ってなって別れを切り出されるタイプだろうなあ…

しかも雑貨にこだわるあまりペンはドイツ製、ノートはフランス製。
こだわる、こだわる。ああ、うっとうしい。欲しいと思ったら一直線!
しかもバイトを首になっているので収入が無くてもカード払い、キャッシングしまくりの金銭感覚の無さに付いていけない私…
言葉尻を捉えて指摘する細かさがあれば、金銭感覚をもっと細かくしろよ!!
って感じで、どうも和子のキャラになじめずに読んだけどラストでは落としどころがあったので、良しとする。

ちなみに旦那に「ねえ、そこに置いてあるぬいぐるみが語りかけてきて、『俺は刑事だ。手伝え』って言って来たらどうする?」と聞いたら開口一番

そんなことは、まず、起こらないと思う
「いや、もしあったとしたらさあ~。それを私に『ぬいぐるみが話しかけて来た』って、言う?」と質問しなおすと。
「言うんとちがうかなあ…」

なんかちょっとだけ嬉しかったりして。
こんな「ありえない現象」を絶対に信じないタイプだからそんなことを他人に話したら「頭おかしくなった?」って思われると考えて言わないとタイプだと思ったから。

私?
そりゃ~~もう嬉しげに「ねえねえ聞いて~~ぬいぐるみが喋って来たん!!
今日はどこそこに張り込みに行って、明日は尾行するから!ご飯は自分で作ってね~~」とか言ってそう。笑
まあ自分の身の危険を感じたらありとあらゆる場所に資料=証拠を残して拉致されても「失踪じゃありません。探してください!」とあらゆるコネを使って警察を旦那に動かしてもらいたいなあ。(成人女性が一人で行方不明になった場合、
よく警察が「家庭に不満でもあったのでは?」と自らの失踪=家出、と決めつけて捜査してくれないとよく聞くので)
もちろんDNにも「今日はどこそこに行ってきます」って残すと思う。笑


個人的には独り言を常につぶやいているタイプなので人形が喋っても全然OKだな。うん。ついでにペットも喋ってくれてOKだな。
『君たちに明日は無い』の第四弾。
今回は「できる人」を辞めさせずに引き留める作戦。
面白いもので、会社が辞めて欲しい人は「辞めない」と言い続け、
継続して欲しい人の方があっさり「辞めます」と言うのはどこの世界でもあるようで。
表題作はモデルがJ×L。経営破たんした時に40歳以上のCAの大半を首切りしたので経験者の層がかなり不足。なので会社としてはベテランに辞めて欲しくない。けれどこれ以上仕事に向上心も必要が無いと思った層は辞めていく。
むしろ「CA」の肩書があるうちに合コンをしまくり(年間30回から40回)
結婚相手を見つけて辞めるのが理想。

モデルケースになっているのは42歳。結婚相手はITの金持ち男。
旦那の実家は近くにいるので子どもの面倒も見てもらえる。
いわば「シンデレラ」として羨望と嫉妬を一身に背負ってる。
そこでこのまま仕事を続けるか辞めるか…

給料も大幅に下がることだし、いまなら割増退職金も出る。
だから今回辞職を決断した。でも、と思う。また軽いため息が出た。
このまま大人しく家庭に入るのは、やっぱり気が進まないと思っている自分がどこかにいる。

実は貴和子はーー自分でも内心で罰当たりなことだとは十分自覚しているし(中略)ーー

子ども達と長時間いるのが、どうにも苦手だった。

とにかくどちらの子も三歳から6歳ぐらいまでは、本当に面倒を見るのが大変でウンザリした。

今でも時折、そう感じてしまう傾向がある。

やっぱり、相手が子供だからだ、と思う。
理をわきまえた大人とは違う。
確かにお腹を痛めたわが子はかわいい。それは本当だ。
目に入れても痛くない位だ。

でもそれと同時に、子供とは、社会性の無い『小さな野獣』だとも常に感じる。


さて、貴和子はどう決断を下すか。
表題作の割にイマイチ他の人のレビューでは評価がよくなかったのですがそれは男性読者と未婚女性が書く割合が高いからきっと「共感」しにくいのだと思う。
むしろ男性は「夢」をいつまでも追い続けたいからファイル3の方が単純に自分と重ねて共感しやすいだろうな、と。


人間の体内に卵を産み付け、体液を養分として成長しある日羽化するアゲー蜂が発生。寄生された人間は末期には脳障害を起こし、時には凶暴になって町で死傷事件すら起こす。人によっては症状の差こそあれ、最後は食い尽くされて「死」が待っている…と何とも気色の悪い近未来昆虫系パニック小説、かな??

本来は感想を書きたいところですが、この作家さん別の作品である人が評価を書きこんだものに対してコメント付けてるんですねえ…「そんな事、書いた覚えはないんですけど」みたいな。ドン引き…汗
ので、感想は控えます。

一方自分が高校生の時夏目漱石の「こころ」を読んで読書感想を提出した時、
国語の女教師に「こんな解釈は変!書き直してこい 」と言われました。
書き直せも何も「そう感じた」ことをどうしろと?
結局「聞いてない振りでそのまま提出」したのかその辺に転がっていた適当な本で適当な感想文を書いて提出したのか覚えてませんが。
「ああ、めんどくせ~な」って思ったことは覚えてるけど。
その10年後(結婚してから)某大学の講師だか助教授だかが私が書いた説と似たことを発表していたことだけは新聞を見て「ほらみろ。そんな解釈だってありだってばよ。感想なんだから」って「 勝ったな」じゃないけど「ざま~~みろ!」って思ったことも覚えている。
一介の女子高生が書いたものは「書き直せ」であり、助教授やそれなりに専門的にやっているヤツが書いたものであれば「OK」なのかよ?え?って感じ。
この説が正しいからそれに合わないヤツはダメ!って風潮にしたら柔らかい頭や心で読んだものはいつまでたっても伸びないと思うけど。

感想はあくまでも読んだ個人が今までに経験したこと考えた事とのすり合わせの結果生じるもの。
それにあれこれケチをつけるのは愚の骨頂。
作者のデビュー作。2003年発行

一介の刑事がある事件に巻き込まれ、単なる事故だと思われていたものが実は国のトップシークレットだった。犯人に仕立て上げられ、真実を知るべく逃げ回る刑事…って話はもういまどき海外ドラマでよくあるパターン。
それが2003年に発行されたこの本では国ではなく「火星」。
しかもトップシークレットが「火星はもちろん、木星に移住しても適応できる肉体を初めから持っている人間を作り出すこと」というだけ。
ただ、その副産物としてまだ素質が安定していない為に、暴走しヘタすれば星ひとつ丸ごと破壊する力も要する。
そんな話。
以前読んだ『魚舟・獣舟』の中に収録されていた一遍に出てくるエピソードと軽くリンクしてます。
デビュー作で描いた人物を後年このような形で復活させるってある意味、この作者の頭の中には色々な構想があるんでしょうね。

ところでもうSFの世界と現実の世界の「差」が全く感じられなくなりつつ昨今。
本書でもこのような記述があります。
人間の精神性を向上させるには脳の構造に大幅な変化を加えればいい。あらゆる精神活動の源は脳にある。ならば脳をいじることで、さらに優れた人類を作り出すことが可能ではないだろうか。

理想の人間を作り出す計画、ネガティブな意識に一切囚われない、宇宙時代にふさわしい、新しい種族を作り出すことを実現したのだ。


嫉妬、憎悪を「初めから持たない」遺伝子を操作して作り上げた人間だったはずなのに、それが一番「暴走」して破壊活動を行うってのは「絶対に安全」と言っていた原発にも値する。「絶対に安全、大丈夫」と言う裏付けの無い言葉に踊った挙句、廃棄物を処理する方法すら考えずに推進と言うお粗末さ。
多分、原発を作った当時は「廃棄するころには俺たち、引退しているし。ま、死んでるかもしれないけから関係ないね」ってうそぶいていた気がする。
今では「原発 0」を掲げることが「勝ための合言葉」になっているけど。
じゃ、無くしてその代りはどうなるの?
皮肉なことに地震以前は「オール電化」と推進していたくせに。
「使う事前提」で進めていたのに。それに乗っかった人は自己責任??

我々は彼女の力をもっと安全に利用したいんだ。

原子力開発と言う分野が、核爆弾や放射能汚染と言う人類を滅亡させるほどの脅威を辿りながら、ついには核融合と言う新たな技術を打ち出すことができたようにね。


この本に書かれているように人間そのものを改造しないと人類に未来は、無い?
『ラ・パティスリー』の続刊。
とはいえ、前作(私的には絶対にコケたと思うのですが)とは少し趣向を変えてます。
主役も洋菓子屋ではなく和菓子やの売り子を据えてイメージチェンジ。
彼女が洋菓子屋と絡んでいき、謎を解く…と言った推理系ミステリー仕立て。

とはいうものの、この売り子。よくもまあこう人様の事に首を突っ込んでいくなあ…と。
狂言回しの役に据えないと話が進まないという事も理解できるのですが。
ちょっと、あんたもう少し大人しくしたらどう?とお説教したくなります。
(関西のおばちゃんの私ですらそう思う位に)
「他人(ひと)さんには 人さんの都合と言うものがあります。
それをむやみに暴くのは下品の極み」と。



甘そうな題名ですが、いきなり記憶喪失男が出現するというミステリー?と思いきや…
正直、あれこれ詰め込みすぎて「イマイチ」感あり。
残念だ~

恋愛物としてもどうもラストを読む限り自然消滅っぽいし…
これだったら新人君にした方があっさり明るく読めたかも。
「先輩に負けないように頑張って店を持ちます!見ててください」的な。
ルーツ探しも付けたしぽかったし。
男女設定なら「一緒に食べた味は忘れない!!」って感じにして、男のその後は不明。でも、いつか雑誌に名前が載るかも…って方が夢があるし。

製菓業界のうんちくばかりが重点的に描かれて、人間が薄かったような。

ケーキは食べたくなりますが…
神戸の多分北野坂あたりにありそうなケーキ屋さん。
表紙のイラストが「地味」なのも正直残念要素。
ケーキを小道具にしているならもう少し「夢」のある話にして欲しかったなあ…
キラキラ感は全くなし。むしろ職人のダークな重い感じがする。
こちらも京都人ですがやっぱり京都を知らない(祖父岡山出身、母徳島出身)
けど、それなりに影響を受けていると思われる内容。

でも、「京都人のいけず」の洗礼を受けてらっしゃるので好感を持てる。
高校時代のバイトの話なんて「ひ~」だけど、勤務先によっては「それ、京都じゃなくてもあるよ~」ってことで結局「女の職場」って大なり小なりやらしいのかと。

だた、漫画ばかりでなくイラスト+文章のページは正直読みにくい。
掲載誌がバラバラなので仕方ないのかもしれないけど、テーマがイマイチバラバラなのも惜しいなあ…

古き良き昭和の世界を浸るには最適!
意外と京都出身の人は京都を知らない。←みんなこれをお断りのように入れてから書き始めている…

本を出筆するにあたって初めてあれこれ「ネタ」を探している人がほとんど。
結局代々住んでいる人じゃないと深い話は書けないのかな?

文末に「おまけ」として
東京に限らないと思いますが、バス停で並んで待つのはいいですね。
京都はバスに限り並びません。


って、それはみんな目的地が違うから並んでも仕方ないんですよ。
A駅→B駅 方向に行くバスもあれば
A駅→C駅 に行くバスも一つの駅を経由地としているから。
一駅一方向じゃないからですよ。
という風に結局京都外の方が詳しくなってくる。

京都駅なり電車で主要駅まで行き、後はバスの一日回数券を使うのがお得!
自転車を乗れる人はさらにそっちの方が色々散策できるから楽しいと思う。
面白い店はほそ~~~い道にちんまりとあるようなので。
車は本当に駐車場に困る(ファミレスですらPが無い)ので、適当に停めてバスを使う方が神経も使わずに済むしね~~と、思った次第。
映画「のぼ×の城」の副産物
映画「のぼう×城」の副産物
『君たちに明日は無い』の第三弾。
今回はテーマが「今の仕事を辞めても、夢は追い続けたい」ぽい。
今回は表題作よりもファイル3の『みんなの力』の方が私は良かったけど。
それにしてもこの作者、相当の車好きなんだろうなあ…
出てくる車種名が「懐かしいな~」と思っていたら生まれ年が1年違いだった。なるほど。みんな車にカネと情熱をかけていた世代だもんね。
『君たちに明日はない』の第二弾。
そだよね。前回の終わり方あまりにも唐突すぎ。
「え?これで終わり?」と不完全燃焼の塊だったもの。

今回も各業界におけるリストラ推進内容。
その中で表題作になっている「借金取りの王子」は恋愛物としても泣ける話。
多分、女性読者は気に入るのでは?

一方、主人公の恋人である陽子。設定は40代キャリアウーマンだけど、どうしても「かわいげの無い女」にしか感じられず、魅力薄。
女性読者の何割から支持されているのかが知りたいところ。

陽子と対照的なのが主人公の補佐役をしている派遣の20代の女性。
一つ目には彼女の見目がいいこともある。
目鼻立ちが恐ろしく整い、瞳を囲む白目はいつも冴え冴えとしている。額も広く、眉もなだらかな弓なりで、鼻梁も程よく高い。
それらのパーツが程よい間隔を保ってアーモンド型の顔の中に散らばっていてる。いわゆる正統派ゴージャス系の美人だ。
そしてパーツの配置が顔の左右で完璧な対称を保っている。


普通、人間の顔はその左右で目の大きさや眉の跳ね上がり具合、口元の締まり方などが微妙に違うものだ。
歳を経てくるにつれ、そうなる。

だが、彼女は見事なまでに左右が対称だ。

きっと世の中の事で思い悩むことがほとんどないせいだ。
心に負荷がかかっていない。
だからいつまでも子どもの様な表情でいられる。


なんか自分の整顔シンメトリーとシンクロしているような一文。
久しぶりに本格的なSFを読んだな、と言う気にさせる本。
これと比較しちゃったら新井素×なんて小中のお子ちゃま向けSF的子供のわがままの羅列に思えるほど。(まあ、読者層を意識してあそこまでひどいのかもしれないけど)
SFって実は近未来でなく「今」を形を変えて揶揄しているのねって言うのをいまさらながらに気が付かされた。

特に『くさびらの道』は日本全土が奇妙な感染症が蔓延しつつあり、主人公の友人が極秘情報として「できるのなら海外に脱出しろ」とまでアドバイスしてくれているのに「好奇心、猫をも殺す」状態で汚染された自分の実家を訪問する話。
しかも
私たちは国道四十三号線を横断し、
←あれ、聞いたことのある国道名だなあ…
北に向かって十五分ぐらい歩いた。やがて阪神電鉄の駅にたどり着いた。
←おいおい!!!
と、主人公の実家は兵庫県。汗

すでに実家の両親と妹との連絡は取れなくなっており、死体も職員たちの手によって処理されているのであくまで家に立ち寄り、家族が手紙でも残していないかな?ってノリで一般人は立ち入り禁止区域に踏み込んでいく。

ここで、作家さんは女性だけれど男性の心理をよくわかっているなあ、と。
心理と言うか行動パターン。
主人公が女であれば「もう処理されているのにわざわざ禁止区域に入って、菌をばらまいて子供に感染したら困る」と訪問を中止すると思うのだが。
(妻と子は 安全な関東方面に生存中)
私だったら行かないけどなあ…と思いながら読んでました。

男女差もさることがながらもしかしたら「実家」に思い入れの比重も関係するのかも。
結婚前の実家が「いい思い出」ばかりなら、たとえ「死の町」になっていても訪れたいだろうし、結婚後の方が幸せであれば現状を維持して、過去を思い出すこともないだろう、と。
「死の町」を訪問するかしないかは一種の「踏絵」であり、その人の感情を知るバロメーターかもしれないなあ…とも。
うん、私は絶対行かない!笑
私の家族は両親や兄弟ではなく、旦那であり子供たちだから。

ところで、表紙のイラストが懐かしい感じ。
http://kicchan.s19.xrea.com/img/hayakawasf.html
      ↑
これらを思い出してしまった。

自分が小学校時代から通っていた図書館の大人のコーナーと呼んでいた(要は一般図書の部)一角に専用ボックスでこのシリーズが鎮座しておりました。
なんか一種独特なムードを醸し出しており、子供心に「これは子供が読んじゃいけないんだ…」って思ってました。笑
イラストにたまにすっぽんぽんのお姉ちゃんが描いてあって余計にそう思ったのかも。あと、作家名がカタカナの羅列だったし。
でも、友人とこっそりその棚に忍び寄り、まるで公園に落ちているエロ本を覗き見するあのワクワク感に似た体験だったのかも。笑
あれ、一緒に集団(と言っても2,3人だろうけど)で見ることにより、共通の「秘密」を共有することにより、結束も深まっただろうなあ…当時は。
今だと個人でネットでエロサイトを訪問するぐらいで、「秘密の共有」と言う一体感を味わえないんだろうなあ…気の毒に。(違)

なんで朝からエロ話してるんだろう?自分。

「タイニータイニーハッピー」とは本書内では大型ショッピングモールの名称で、英語の文法的には間違いだがそこはスルーして利用者は「タニハピ」と略して愛用中。意味的には「小さな、小さな、幸せ」ということらしい。
さて読み始めて、内容的にガールズトークと言うか女子会と言うか…
まあ、テーマが「恋愛」ってことで、「う~~ん」。
結婚20年の40代女が今更ね。ただ、自分たちの時代だったら「唯川 恵」さんぐらいの位置かな?と。
当時「専業主婦VSキャリアウーマン」って二つに一つしか選択肢が無かった時代。一方こちらは「結婚するかしないか」「子どもを産むか産まないか」「子どもが出来ても仕事を続けるかパートになるか」そんな風に時代の流れを感じさせます。
ただ、交際相手からメール等の返信が無く、働いているビルが受信状況が悪いのである階にまで行ってメールチェックをしている描写があるんですが、これもし自分だったらどうかな?って。
メールが来ないことにイライラしているのって、私だったら「もうだめかな。別れよ」ってあっさり終わったことにするかな?それとも仕事が手に付かないぐらいづ~~~~~~~っと彼の事を考えているかな?とつい立ち止まってしまった。

20代後半から30代の未婚の人ならこの作者のフアンになって、全作読破と言うか固定フアンになりそうだな。
吹奏楽部に所属する8人の娘の話。

どうして部活を舞台にした話で女子を主人公にした場合、どれも似たような話にしかならんのだろうか?
もう少し「個性」を出してもよかろうに。
よく巻末に「この本は描き下ろしです」とありますが、これ訳すると


一度でも文章として掲載したら今後売れないのがわかっているので
一発勝負で出版することにより、次回作を期待しているであろう間抜けな消費者に買わせる為の出版社側の意図的な戦略である
という事が最近分かってきた。


「解説」自体も元々ファンタジー要素の強い一作目の江戸にもどった安兵衛がいかにして過ごしたか気にする読者なんていないと思うのにまるで多くの人が続刊を待ち望んでいるかのような太鼓持ち記事だし。
「かぐや姫」が月に帰った後を気にする人は一体何人います?

一作目が江戸から現代にタイムスリップしたのに対して2作目がその逆って…
あまりにも商業ベースに乗っかった作品。
それなのにアマゾ×で高評価。なんで?
こんな風に京都の町の表の面ではなく裏路地にあるような紹介の本を読んでいると、行きたくなる。

が、この本で一番重要なのは巻末。
ねうちモンとはずれモン にあると思う。
そう。
京都人は イケズ である という事を重々肝に銘じた上で京都に行かねばならぬ。

京都人の著者にしてあえてこのことを書かせる京都人の根の深い「イケズ」。
京都オリジナル外れ店というのは

客にイケズする店である

その京イケズの共通点は
「ホンマは田舎もんなんて相手にしとーないんやけど…」と言う態度である。
そしてタチが悪いのはそのお店が老舗、人気店という事で
一瞬お客さんの方が自分が悪いと思わされるところである。


ホンに怖いどすな~

よくマナーを知らない異国人がフィンガーボールの水を飲んだところ、
ホスト側が同じように素知らぬ顔で水を飲む…と言うのがあるけれど
京都のイケズにかかったら冷静な凍るようなまなざしの攻撃に遭うんだろうなあ…
「この田舎もん。顔洗って出直してこい」と。
正直、読んでいて気が重くなります。
でも、おもしろい。
主人公はあらゆる企業の人事課に代わって社員に「クビ」を言い渡す仕事を請け負っている。
自分がもし20年前に結婚と言う道を取らず、あのまま仕事を続けていたら…と
思うことは多々あるが、これを読んでいたら続けていても結果としては辞めていたもしくは辞めさせられていたんだろうなあ…と。
ある銀行員の例として、一流大学から大手銀行に入行。しかし時代の波にもまれて別銀行と合併。以前は結果も出していたのに吸収された側と言うだけで閑職的部門に追いやられた挙句「リストラ面接」に。
いい仕事をしていても、それが報われないこともある。
むしろ成績を上げるよりいかに「ごまをする」ことができる人間かどうかで会社に残れる確率がある、という皮肉。
長いものにまかれる事が全く苦痛でない人間こそ一つの会社で生き残れるのかなあ…

面白いんだけど、ラストが「え?これで終わり???」とものすごい尻切れトンボ、ポイのが残念。

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