毒舌と嫌味がとっても素敵なヒロイン。
そんないやがらせにも屈しない忍耐力が妙にあるヒーロー。
「注目されたくないの」「関心を持たれたくないの」と言いつつ、ほかの人がしない
言動を繰り返すあまり悪目立ちしてしまうというか逆効果は計算?ってぐらいに。
「木を隠すなら森」が鉄則なのにヒロインは「街路樹」となりしかもほかの人は種類が違うから余計に悪目立ち、そんなあほさ加減が素敵!

「尻軽女」「傷物」「あばずれ」とこの手の小説にしたら珍しい称号を授けられているヒロイン。婚約者がいるのにもかかわらず何気にキスをしてしまったので後始末をせざるを得ないヒーローとバカップルぶりに読んでいてどうやって落とし前をつけるだろう?と言う興味だけで最後まで何とか読み切りました。
痴話げんかに最初から最後まで付き合わされた感じ。

ヒロインの毒舌っぷりをうちの夫にやったら5分で「いい加減にしろ!!そこまで人の気を悪くすることばかり言って楽しいのか!!!!!!!!!!!」と激怒しそうです。
「ええ楽しいですよ。あなたの態度がそんな風に私に言わせているのがわかりませんか?」と声に出して言ってみたいですが。
ある意味、頭の回転が遅いヒーローだから寛大なのかも。

弟君がいい味を出しているから救われた一冊。
ベルゼブブからの危機一髪の脱出後の列車の中の出来事。
たまたま居合わせたコンパーメントの乗客。
自己紹介するにあたって、少女は<孤児>と名乗り
中年女性は<公妃>、
貴族の青年は<木こり>
かっしりした大男は<死者>と。

誰しも「嘘」の自分を演出しているように一見思えるのに
違う面からみると「真実」だった…
そんな話。
ミステリーとしては最悪と言うか全然トリックもくそも無くて残念な一冊だけど
オコチャマの恋愛ものとしてはまあ、いいんじゃないんですか?みたいな。
角川から出てるけど本質は子供向けのラノベ。
時間つぶしにはいいけれど、読んでいてやっぱり「時間の無駄かも…」と
思えてしまえてならない。

ところで。
一見嘘に思えることが実は真実である、と言うことが妙に心に引っかかり。
そうか生きていくうえで「真実ばかりを言うのではなく嘘をないまぜにする方が
もっともらしく聞こえることもある」と。
何もすべて真実を言わなくても別にいいじゃない。1%真実があれば99%は
嘘であっても。人を傷つけないのであれば。
「常に真実を口から吐き出す」と言うことは子供が生まれてきてから特に注意していたから自然と意見を聞かれたらありのままに答えていたけれど、そんな必要もうないな、と。
意見を聞かれたらけむに巻く。誰も聞いちゃいないさ。
それが一番賢い生き方。
さあ、今日から常に嘘をないまぜにして人と話そう!
『ベルゼバブ』ではなく「ベルゼブブ 」。
なぜか漫画を連想するんですけどねえ…

ハエの王「ベルゼブブ」のような形をした修道院にヴィクトリカが強制移送されてしまい、
それを久城が迎えに行く話。
今回、ヴィクトリカの父と母に久城は対面する。

それにしてもこの本を「ミステリー」として読んだら絶対にみんな怒るんじゃないのかな?
と言うある人物の初めの喋り方と終わりの喋り方の落差感。
よく性別を読者に間違わせるためにこのような手法をとることがありますが、
それでも違和感なく溶け込ませてこそのミスリードですが、今回のこの話の展開では
どう読んでも「無理!」なんですが。
ドレスの描写とかえらく事細かくダラダラ書く割に、結構重要なところをさらっと
流している気がするんですけどねえ…

無事、ヴィクトリカを連れて帰ることに成功したものの、その帰りの列車で
何やら不穏な事件がまたもや勃発…と言う展開なのでⅤとⅥは続けて
読んだ方が内容を忘れずに済みそう。
少しずつ、伏線的なものが現れてきて今後の展開に関わってくる人名がちらほらと。
ヴィクトリカの父はあくまでも娘を「武器、兵器」としてしか見ていないこともわかったし。
世界大戦と言うきな臭い「国同士の大きな喧嘩」が控えているであろう展開の中で
救いになるのが一弥との「友情」なんだろうなあ…

ところで本作、仮面を付けローブをまとった謎の錬金術師と言うのが出てきます。
その説明がP51
錬金術師とは、物質の情報を書き換えて別の物質に変化させる術を研究する人々なのだ。歴史的に人々が彼らに求めた力は大きく分けると三つに集約される。
「金」と「不老不死」そして「人造人間(ホムンクルス)」だ。
それらは「賢者の石」と言われる特別な物質の助けを借りて造られるとされた為、
力のある錬金術師は「賢者の石」を持っているものと考えられた。
その石は一説によるとザクロの実のような濃厚な赤色をしていたとされる。

読んでいて『鋼の錬金術師』を思い浮かべたのは言うまでもなく。
これらの錬金術師って上記の説が一般的なのか?
それともパク×なのか?と気になるところ。
まあ、『はりぽた』でも「賢者の石」と言うネーミングは出てくるので、
お約束と言うか定説があるのかもしれないけど。
そのうち「キメラ」とか言いそうだよなあ…
『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の続編
「淳君事件」を連想させる殺人鬼(ここでは「死体配達人」と呼ばれ畏怖される)が
名前「御子柴礼司」と変えて弁護士として今を生きている。
金のある容疑者しか相手にしないのに、今回はただの一介の主婦の弁護を自分から引き受ける。何のメリットがあるのか?と周囲が訝しげるのをよそに淡々と弁護証拠を集める御子柴。

ハッキリ言って真の殺人実行犯の正体はすぐにわかります。
が、その動機が何とも胸の悪くなるようなことで…
それ、実行犯がその行動をとる前にどうにかしなかったのあなたは、って感じで。
「守るべきもの」を間違ってはいませんか?と。

ネタバレになるので突っ込んで書けませんが、
今回の御子柴の行動は「過去」の償いの為に
「現在」の自分を捨てる、と言った意味では「お前、そこまでやるか…」と。
ある種の潔さになんか泣きそうになった。

ところで今回の法廷の場面で「敵」である検察庁の検事。
「岬」と言う苗字にもっと早く気が付いていたらよかったんだけど
中山作品は久しぶりだったためにこの「岬 恭平」が『さよならドビュッシー』等で
活躍している岬 洋介のお父さんとは。
今回このお父さんが出てくるために、いつも体がぼろぼろになる刑事さんは
お休み。笑

全体のトーンは単調で正直退屈な淡々とした描写が続くけど、
最後に一気にど~~~~~~~~~~~んときます。

でも、亜季子と朋美の描写はどう繋がるんだろう?
朋美は過去の作品に出てきてたっけ?思い出せない。


澄んだブルーに魅せられて アイリス・ジョハンセン著
これを読んで舞台を現代にするとこの手の小説は「成り立たない」ことがよくわかった。
あまりにもオコチャマっぷり炸裂のヒーロー&ヒロイン。
この治安の悪さで20歳以上なのにバージンのヒロイン。
大金持ちで会社も持っているだろうに知性を感じさせないヒーロー。
明らかにサブキャラの方が魅力的。
そしてそこ突っ込んだら話が成り立たないだろうってぐらい「ご都合主義」の展開。
見つかったら殺される状況下において、一刻も早く立ち去ることが最善の場において
「セスナ、取ってくる」はないでしょう。ヒーローが「いくらでも代わりを買ってやる」と
言っているのにそれを振り切ってまで自分の我を通しまくるアホヒロイン。
これが「両親の形見なのよ!」とか「あの鍵がないと次へ進めないのよ!」的な
重要アイテム=代わりが利かないものなら取りに帰る価値もあるだろうけど、
セスナ。ただのセスナ。確かに貧乏人にとっては大切かもしれないけど、
命を懸けるほどのものでもない消耗品の為に他人すらも巻き込むってのは…
もっとプロなら「なるほどな、これなら取りに帰るのも仕方ないな」と読者に納得させる
展開、状況を書くべきでは?と。
あまりのへたっぷりに素人さん投稿作家?と疑ってしまうほどのでき。
ところが!!
恐ろしいことに作者の紹介では
全世界で2500万部以上の売り上げを記録するベストセラー作家
と言う目を疑う表示があり絶句。
過去に売れたから後は適当に書いたタイプと言うか大量生産するうちに才能もアイディアも枯渇したタイプ?
これ、別人が持ち込みしたら「アイディアは面白いんだけどね、もっと設定を練らなきゃダメだよ」と突き返される出来だと思うけど。
少女小説家がステップアップのために無理やりアダルト小説を書きました、
ラノベ小説家がステップアップを試みて一般小説を書きました、が、
どうしてもラノベ読者向けの設定が抜けきれずオコチャマ向けになってしまいました、
そんな感じ。

ヒーローヒロインがここまで子供というか17~18歳ポイのはこの手のジャンルには
向かないかと。
読んでいる(年齢は)大人の女性たちが「たくましくも無い、知性も無い」男の話を
読んでうっとりするとは到底思えない。(身近にこの手の男が存在しないから小説でごまかして生きているんだから)

というわけで、この手のジャンルとしてはワーストに入る一冊。
最近この手のヒストリカルロマンスを適当に読んでますが、
大体中身は似たり寄ったりなんで、まずヒロインの性格がきつ過ぎて、
男は一目見るなり欲情し、女も一目ぼれしている割に
「いけませんわ、いけませんわ。あなたのことなんか大嫌い」
と言いつつ最終的には致すんでありますが。(それがお約束と言うもの)
今回の話は身分違いでまあ実際この時代だとありえないカップルの誕生なのですが
そこにうまいこと「殺人が起こるかも…」と言うミステリー要素が加わり
「誰が狙われ、誰が犯人なのか?」とただのエッチ話では終わらせず、
ロマンチックな描写展開もあり面白かった。
正直この手の翻訳物って、原作がおもしろいのか翻訳者がうまいのかわからない
ところがありますが、本作はきっと両方相性が良かったのでは?と思うぐらい
退屈せずに最後まで読めました。
学者の設定の割には言葉使いが悪く、ヒステリックなヒロインより、
もともとスリで生計を立てていたのが立ち直るために上流階級の言葉やマナーを必死になって身に着けた今回のヒロインの方が上品に思えた「言葉使い」がいかに
大切かを思い知らされた、のでございますことよ。奥様方。おほほ…

題名を見ただけで話の内容がわかる一冊。笑
でも、この手のヒストリカルロマンにタイムマシンと言うSF用語がどうからむんだろう?と。
主人公は現代アメリカの歴史学者。アクシデントで中世のイギリスに飛ばされちゃうんだけど、ま~この女が「本当にお前は学者か?」と言いたくなるぐらい(それもうんざりしながら)ヒステリックで衝動的。かつ凶暴。
学者ならもっと冷静に状況を分析できないものか?
行動する前に考えれないものか?と現代のすぐ切れて子供を殺す女と全く変わりないアホっぷりに全然共感することもなく終了。
我儘でヒステリック。
相手の男の背景がわけ有りでなければ、なんでこんな女がモテるのかちっともわからん一冊だった。読んでいて疲れたよ。
日本人みたいに3歩とは言わんが1歩ぐらい引いた方がいいのでは?
もしかして昔の日本人女性ってアホな男を立てるというかおだてて後ろから操る為に「奥ゆかしさ」を演出してるんじゃないのか?と思ったぐらい。
男女平等が頭と体に染みついている人種ってホントかわいげが無いように映った。
お国柄の違い、文化の違いが色濃く出ているせいか、主人公の行動がちっとも
理解できずに正直嫌気がさしつつも完読。
ジャンクとアンティークは同じ古い物でも全く別物。
そういった物に興味のある人には雑学を増やしたり、好きな雑貨がもしかしたら
登場しているかもしれないので楽しめるかも。
全く興味のない私は…

その一方でアメリカにおける「「セール」。
家丸ごとまるで蟻が餌を姿かたちが無くなるまでバラバラにするかのごとく
売っぱらうその感覚が…
確かに、日本でも独居老人が死んだあと「遺族」が業者に丸投げして「処分」
する時代になりつつありますが…
「遺品整理業者」となんとなくちゃんとしてそうですが、元をたどれば
元手無しで物を仕入れ、リサイクルとして販売するおいしい仕事なんですけどね。
もっともらしく「死者の尊厳を…」とか言っちゃってるけど。
仕訳の根本は「これは、売れる、これは売れない」なのに。

マントルピースの装飾、床材、釘…こんなものまで分解してリサイクルするのって。「これ、アンティークの煉瓦よ!」って手放しで喜んでいても
実は元をたどればどこかの家で使われていたもの。
結構、念がこもっているかもね。怖い、怖い。
お気に入りの雑貨を探すのは楽しいのかもしれないけど、その家の段ボール箱いっぱいの結婚式の写真や家族の写真まで買い取るその神経が理解できない。
なんかなつかし~というかうらやまし~と言う感情をエルザに持った。
自分の吐いた言葉=毒の効果がどれだけ他人にダメージを与えるなんていう
「気遣い」なんて全く頭にない状態で言えることってそれは「子供だから」。
ダメージをイメージできるような知性を持ち合わせていないからできたことで。
思い出したのは自分が18歳の頃。ものすごい毒を吐く子と知り合って。
毎日毒を吐くのが楽しくて、楽しくて。
今まで自分の周りにいた人間とは全く違うタイプゆえに魅力的で。
彼女に吐かれた毒をさらに上回る毒を考えるのが楽しくて。
お互いに言われたらその上を行く毒をいかに口にするか、まるで競争するかのように。
その子以外の人間に吐く毒が相手にどんな影響を及ぼすのか頭になくて
次々頭に浮かぶと同時に口から出ている言葉たち。
相手にさらに深くえぐり突き刺さることが楽しくて、楽しくて。
傷つけることがこちらの優位を示せるようで。
言葉に含んだ毒に気が付かない相手をバカにして。
反応のない人間をさげすんで。
やっている時は本当に楽しかった。快感だった。
そんな「遊び」をしなくなったというかできなくなったのは子供が生まれたから。
子供に正しいことを教えるためには正しいことを言うしかない。
では「毒」を吐く親が「他人に優しく」と教えれるか?
無理、手本を示せずに教えることなんてできない。
そうやってどんどん毒や悪行を封印していくしかなった。
親が子供を育てるんじゃない。子が大人を親に育てるんだ。
そういった意味では自分の口から吐かれる言葉が意味を持つことを知ったエルザは
子供から大人になったということだろう。
彼女の場合は、本当に心から信頼できる男性を得ることによって。
初めは誰もが未熟。でも、そのことに気が付いて一つ一つ変わっていけばいい。


でも、時々思いっきり誰がどんなふうに感じようが心の底から毒と言う名の暴言を吐き散らかしたい。そして、その言葉の音が消えると同時に言葉を浴びせた相手の命まで一瞬ににして奪えるだけの力を持てたら、とすら思う。
相手に生きる気力さえも根こそぎ奪いきってしまうだけの力を。
人を殺せることを知ったら少しは吐く加減もできるかも。
なんか懐かしい~気持ちにさせる一冊でした。
多分、カセットテープやMDウオークマンなどが小物にでてきて、携帯がまだ高価で大人が持つものと言う状況だからこそまだ私の青春時代と被るものがあるからこその感想ですが。
きっと今の10代20代前半になってしまうと「携帯ひとつですべてができる」と言うことが
当たり前だからこそ、きっとこんな「感情のやりとり」すら理解できないのでは?
携帯がないからこそ、理解できる感情。
心配だからこそ家に行って顔を見る行動。
一つの空間にすっぽりと収まってその状態が「心地いい」と感じられるのも根底は同じ。
携帯で文字だけで「大丈夫?」と問われてもどこか物足りない。
手をつないでいてほしい…
触れ欲しい…
もっと一緒に居たかった…
たった3年と言う期間限定の縛りがあるからこそその3年をいかに濃厚に過ごすか。
心、感情のやり取り。
表面的で嫌われるのを恐れて自分の気持ちを押し隠すことが当たり前の今の子たち。
当時、毎日、毎日帰宅後電話でしゃべっていたっけ。
何を一体喋っていたんだろう?
あれほど毎日一緒にいたのに、今じゃ…
あの期間限定だからこそ時間を惜しむようにしゃべり続けていたんだろうか…

最後の『ガーデン・ロスト』はつい2か月前まで次男が受験生だったからこそ、
シバの追い詰められ感が理解できてそれ以上に彼女の母親に「それ以上、娘を責めるな追い詰めるな」と言いたかった。
努力して頑張っているのなんて見ればわかる。
自分が学歴が低いからって娘にその代替わりをさせるなっての!怒
悔しいんならもう一度自分が勉強しなおして大学でもなんでも入ればいい。
実際よくいるよね。
「うちの子、××大学なの!!」と自慢げにいう人。
違うだろ。アンタがえらいんじゃなくて必死に努力して覚えて答案用紙に向かった子供が
えらいんだよ!なにまるで自分の手柄のように語ってんだ?って、いつも思う。
アンタ、一問でも子供が解いた問題を解いたことある?って。
言わないけど。言ったら「自分の子の大学の偏差値が低いから嫉妬してる」って言われるし。
しないよ。だって、うちのこはうちの子なりに努力してそこに行って今楽しそうだから。
これが「こんな大学来たくなかった…」って休んでたら言われても仕方ないけど。
すべてを受け入れて、今楽しくやっているからそれでいい。
そんな風に子供を見守ってあげれない親もやっぱりかわいそうって思う。

若者向きに書かれた本なのにいつも感想が大人の目からになってしまい、
頓珍漢な感想になってしまう…
もっと素直に青春描写を楽しめよ、自分。
時系列でいえばこの本が一番最初に来るべき位置。
GOSICK でいきなり「もう君と僕は知り合いだよね」的な雰囲気のまま話は進むので
読んでいて「ん?」って感じでしたが、その疑問を埋めるのがこちら。
とはいえ、サブテキスト的要素なので読んでも読まなくても本編には影響はないと思う。
時間とお金があったら目を通しておいたらより理解度は深まるだろう。
本作の最終話、『序章 死神は金の花をみつける』で、なんとなくヴィクトリカの声が容姿と不釣り合いなのかなんとなくわかった気がした。
昨日『猫弁と指輪物語』で猫弁事、百瀬太郎がいかに結婚に向いていないかを酷評いたしました。(建物物件に例えたら過去殺人事件の起こった物件or幽霊が出る物件など。)
今回の話を読む限りはそれは作者の意図したものであることが判明。

P97 大福さんの母親の気持ち、抜粋
東大卒であることも弁護士であることも決め手にはならない。
しかし、両親がいないことも、パッとしない見た目も、マイナスとは思えない。
誠実であることは美徳だし、その点は全く問題なさそうだ。
しかし母として、何よりも強く婿に望むことは、娘を深く愛していること。
この一点である。
多少社会規範から外れていようが、収入が低かろうが、娘を唯一無二の存在として愛し、
がむしゃらに外敵から守ってくれる。これこそが婿に望む第一条件である。
亜子への愛。
その肝心なものが百瀬太郎には足らない気がして、敏江は心配だ。


そして、肝心の百瀬もP207
「結婚したかったけど、やめた方がいいかもしれないって思い始めている」
「どうして?」
「私の思考は散らかっていて、身近な人を傷つける。家族ってものがわかっていないし、
相手を幸せにできるかどうか」


本作、前作とは少し毛色が変わったというか作者の欲みたいな色気が投入されて
一作目のどちらかと言えばほんわかエンタメ系だったのが売りだったのが
子供、特に現代の子供を投入することにより社会問題も取り上げた少し硬派系を
目指したのかもしれないけど、そうすることによって良さが弱まった気がする。
今の子供を作中に入れたら、母子家庭は当然のこと、父子家庭はては子供を放置して出奔する母親像がゴロゴロ…父親は良くて仕事漬けで子供を見守らず、下手すりゃ酒飲んで子供に暴力を奮ってご飯を与えない…的な描写ばかりが一般的。
読んでいて胸糞わる~くなる。ので、子供をこういった小説やドラマで描くのはなんかなあ…と思うのが正直な気持ち。
なのでお気楽エンタメで始まったのなら最後までお気楽テイストで貫いてほしかった。
今回何やら盗聴器を仕掛けるや母親の過去についても語られるなど、微妙にぼかしてあった百瀬の過去にもつながる伏線が多数。
盗聴器などあまり穏やかではない進展が予想されるだけに、読み手としては最初のテイストはもう無理かなあ…と。
がっかりさせられない展開を心から望みます。

さて、本文でこんなことが書かれていました。
P239 大福さんの後輩の晴美が大福さんとこんな会話を。
「私、お見合いをしたその日の夜に三千代さんに電話したんです」
「三千代さんに?」
「ええ、あの人大きな会社を作った超パワフルウーマンでしょ?私にとっては
希望の星なんですよ。起業家の精神論とか考える秘訣を学ぼうと思って、
時々電話しているんですけどね、見合いをしたと言ったら、即、結婚してみろって言うんです」
「三千代さんが?」
「しかもこう言うんです。もし相手に経済力があるのなら、専業主婦をやってごらんって。
いいか、専業主婦ってのは頭を使う職業だ。バランス感覚や忍耐力もいる。
ほかのことは考えず、まずは三年、修行と思ってやってご覧。
見事に平和な家庭を維持できたら、起業家としての素質十分、
その時私が生きていたら、専属アドバイザーになってやろうって言ったんです」


少なくとも、私がリンクしていただいている方々は全員、起業家としてやっていける方ばかりと言うことで。笑

こうやって専業主婦にさりげなくエールを送ってもらえる文章に出会うとうれしくなります。
某女優の家で飼われている完全家猫が妊娠した。犯人を捜せ!そして賠償させるのよ!と言う依頼。まあ、本格ミステリーでもない話なのですぐにからくりはわかります。
一方、まこと先生(♀)のところに持ち込まれたアルビノのビルマニシキヘビ(名前を公募で坂本龍一に決定!人間名を付けるのが好きな作家さんだよね)。
ほのかに漂うまこと先生の恋愛話…とすべての伏線が絡み合って最後は一本に落ち着くのはいつものパターンですが。

それ以上に、主人公百瀬太郎の性格があまりにも社会不適合過ぎて。
偉大なる貴重な「婚約者」大福さんがあまりにも気の毒すぎて。
大福さんの本業が「結婚相談員」だけになぜこんな「訳あり物件」を好きになるのか理解不能。いくら中学生の時に百瀬を好きになったとはいえ恋は盲目過ぎ!
結婚前は両目を開き、結婚後は片目をつぶれの鉄則は相談所に無いんですか?
というより、私が相談員ならいくらスペックが「東大での弁護士」であっても紹介することすら
躊躇しますね。会員から「こんな人を紹介して!!怒」と契約解除されかねませんから。
百瀬と言う男。確かに人はいいかもしれない。けれど結婚相手としたらあまりにも欠陥がありすぎる。住宅でいうなら過去殺人事件となった物件であり幽霊が出る物件レベル。
猫や動物が出てきてほんわかした雰囲気に騙されがちですが、よくよく見ると絶対にこの百瀬、おかしい!
なので、大福さんの父親が結婚を反対するのもよ~~~~くわかる。
バランスが悪すぎて天才とほにゃららは紙一重すぎ!
初めにドラマありきなのでこんなありえない人物設定でも「味」として楽しめるとしても
やっぱり現実の結婚を知っている身からしたらどうしても引っかかりすぎて物語を楽しむことが出なかった。

よく現実でも親が相手を見るなり結婚を反対して意地になって家を出てまで一緒になる人がいるけど、あれって結局幸せになった人と不幸になった人とどれぐらいに比率なんだろう?と思わずにはいられない。
人を見る目が養われていない若い時に雰囲気でごまかされいた…ってパターンが大半では?
若いうちは良くても、百瀬のこの人物像に10年20年と付き合っていくうちに疲れないかな?全く周囲と言うか人の気持ちの部分に鈍感と言うか理解できない人って。
息子が百瀬タイプの女性を連れてきたら全力で阻止しますね。笑

何度も言いますが、結婚前は両目を開き、結婚後は片目をつぶる。
そうしないと他人と生活なんて続けられません。
なぜ人は自分のそばにいる人を大切に思えないのだろう?
そばにいてくれるだけでありがたいのに。


と言うわけで、今回のお引きとりペットは「タイハクオウムの杉山」。
なぜペットに「杉山」と言う名前を付けるのか…
面白そうな題名だな、とかりたけどまさか 実話 orエッセイ?
レポート?とは思わなかった。
日本人でこんな自慢話に近いことを書けるずうずうしい人って売れなくて実生活を切り貼りせざるを得ないような落ち目芸能人ぐらいかと。
しかも、「私、頭いいのよ」「仕事もできるし」ともてて当然!と信じきっているおめでたい人柄が滲み出まくっている文章に数ページで放棄。(最近、体力がないせいか読み続けることができない…)
40歳を目前に自分はそこそこのものを手に入れたのに子どもがいない!
ならいっそのこともし今の夫と結婚せずに以前付き合った男どもと結婚していたら…
ということで過去の男と再会しそれをレポートするという形態。
アホか…って感じですが。子供いなくて正解じゃないですか、こんなアホ親。
「引っ越したい!!」と最近また熱が出ています。
というのも、最近も一軒引っ越しました。その家と同時に出た家がほかにも2軒あり、
内一軒はすぐに買い手が付き、残り一軒だけがいまだに残っています。
でも、住宅販売の「チラシ」 を見る限りあまりにも間取りが悪すぎて
「これじゃあ、更地にした方がまだ売れるかも…」と素人でも思うレベル。
で、本書を読むうちにその売れない家のよりによって「玄関」が思いっきり「欠け」の状態。
私の家も建売なのでかけ状態ですが、それでもこの家は震災後急きょ夫の両親も住むことになり変な家に…とおっしゃっていたのが印象的なほどでした。
要は道から全然玄関が見えない…汗
顔の無い家、とでもいうのでしょぅか?ほかにも2階にえらくだだっ広い和室があり、
いまどきこれは…ではないでしょうか?せめて洋室だったらよかったのに。

と、人様の家はさておき、我が家の家の玄関は「北東」位置にあり、「凶」でございます。
さらに向かいの家と門と門が向かい同士にあり、これは風水でいうところの「門冲殺」と言って
近隣トラブルが起こりやすのだそう。(だから、婆に監視されるんだろうなあ…)
家相と風水は別もんですが、見れば見るほど

大凶な家 の我が家。

で、家の契約書を引っ張り出してきたところ、最初のプランでは玄関の位置とかほかにも
本書で書かれている「こうした方がいいよ」的な要素が盛り込まれていたのに、
まあぶっちゃけ旦那が「反転」させたからこうなったわけで…
地震直後だし、当時「どこでもいいから旦那の実家の横から引っ越したい!!!」という
ことしか頭になかったので家に関しては超ノータッチでございました。
もし、少しでも家相とか風水の知識があったら「こうしてほしい」とか意見を言えたのに…
もしまだ家を持っていない人はこういった本も知識として一読しておいて、役立てた方が
後から問題が出た時に「読んでおいた方が良かった」と絶対に思うはず。

ところで、こういった家相、風水が気になるのは一般的に
「家を建てた後、体調を崩した」とよく言いませんか?
先週の英語でも70代の人が「友人が、家を建てて引っ越した2日目に、旦那さんが
倒れて人工呼吸状態」とのこと。(旦那さんは60代で、趣味の自転車でサイクリング中倒れたとか…)
そもそも最近英語仲間が集まっているのはサークル内の60代の人が「娘と同居することになって、それがめちゃくちゃいや~~~~~~~~~~~~!!」とうつ状態になっているから「愚痴を言いたまえ。聞いてあげるよ」ってことが発端。
彼女の話を聞いていると友人さんたちも数名「引っ越した途端に不幸が…」というのが多数続々…滝汗

その時は、思わなかったけど案外家相や風水が悪かったのかも。
事実、舅も私たちが住んでいたアパートの跡地に平屋の新築を建てた途端、
認知症発症したような気が…滝汗
今まで住んでいた家の隣とはいえ、使い勝手も違うし趣味の園芸もできにくくなったし。
夫とも「引っ越したのがまずかった???」とひそひそ。(もともとの家の隣の土地とはいえ
何も立てないと固定資産税が高くなるので何か建てた方がいい、ということで夫が
「平屋の使いやすい家を建てたらどう?」とアドバイスしたので…責任を感じる)

下手に土地ごと引っ越すよりも今の家で方向もわかっているからリフォームする方が
いいとは思うもののそうすると玄関の位置から風呂の位置までごろっと動かした方がより
いい!とわかるから余計にお金の問題が出てくるのであった…

子供の成績が伸びない、子宝が恵まれないなど家相のまずさからくるものをこうしたらいい、とビフォーアフターで例を載せてくれているので親切な一冊。
欲しい本があったので久しぶりにブック0ffに行った。
消費税が上がってから初めて。
で、欲しい本はなかったけどこっちの小梅さんをゲット!

でも、店内に買い物かごいっぱいそれも2つに!!っていう「大量買い」の人がいて
「すげ~~~~~~!!」って思っていたらほかにもスマホ片手に「背どり」しまくっている
奴らがいて。5人ぐらい店内でスマホ片手に…
なんか、むかつくんですけど!!!
その一方でもしかしてこれだけ需要本があるってことは正当な価格で引き取っていないから
激安で販売されているのか?と本を売る側にしたら腑に落ちない。


ところで私が行っている店だけかもしれませんが、ぶっく0ffって
「いらっしゃいませ~」は店内をあげて合唱するけど、買ったのにもかかわらず
「ありがとうございました~」が無い
めちゃくちゃ不愉快の二乗。
社員教育しろよ!(パート、バイト募集、と紙が貼ってあってもきっとこれに不満を持って
私は長く続かないだろうなあ…)
なんで買ってくれた客に対する礼儀がなってないんだ?ここ
中途放棄
全然文字を読んでも頭に入ってこず、とりあえず「ツーリズムのおわり」まで目を通した(読んだとは言えないので)けど、「あれ、なんのこっちゃ???」って感じで全然意味不明…
訳が悪いのか原作が悪いのか。それとも私の読解力の無さなのか。
内容が全くつかめないまま終わっちゃった…読み直す元気も無しって感じ。
全く盛り上がらない文章。男性的と言えばそれまでだけど…
日本語がねえなんかカクカクした感じ。なめらかじゃないというか…
正統派の「お姫様と王子様(騎士)」の話。
とはいうものの、事情があってお姫様は女中に身をやつし、王子様も同様に。
そこに生じる問題が少し事態をややこしくさせるのはお約束。
まあ、結局もともと婚約者同士なんだからくっつくことは明白なだけに安心して読めます。
ヒストリカルロマンス、という分野だそうで。
性描写で読ませるタイプではなかったので読みやすかった。(むしろ色々な意味で物足りないと言っちゃ物足りないが…ちょっと平和すぎて)
私的には悪役のミルバーンが実は「騎士団で…」という展開を期待してましたが、そこまで深い設定でもなく。

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